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小商いミニ知識:初めての会社設立 その2(合同会社と株式会社どっちにする?設立費用編)

こんにちは。ゆうき行政書士事務所です。
会社をつくろう!と思った時に合同会社か株式会社か悩まれる方、多いのではと思います。ご自身の場合はどちらがベターかの考えのご参考になれば幸いです。


ミニマム会社の永遠のテーマ?!合同会社か株式会社か

合同会社と株式会社、設立手数料比較!

合同会社と株式会社の設立時の金額について、手続き別にみていきましょう。
・資本金の払込
(発起人の口座に資本金を払い込む作業です)
【違いなし】現行法では1円でOKです。ただ、相場については後述します。

・会社の印鑑の作成
(法務局に届け出る印や銀行印などをつくります)
【違いなし】合同会社、株式会社どちらも必要です。

・定款の作成
(会社の目的や組織を決めた書類を作る作業です)
【違いなし】紙の定款を正式なものとする場合は、どちらも印紙税4万円がかかります。電子定款(PDFなど)の場合はどちらも印紙税はかかりません。なお、電子定款を作成するために電子証明書を付与する必要があり、マイナンバーカードを利用する場合は、ICカードリーダー(2000円〜3000円程度)、Adobe Acrobat Standard(月額1,518円、無料期間あり)以上の機能が必要です。

・定款の認証
(公証役場に定款のお墨付きをもらう作業です)
【違いあり】
株式会社のみに必要な手続きであり、最低3万2000円程度かかります。(2024年12月1日以降は最低1万7000円程度に変更予定です)

・設立登記、代表印の登録
(法務局へ会社の登記を届け出ます)
【違いあり】
登録免許税の支払い金額が違います。株式会社と合同会社で金額は違います。登録免許税という名前ですが、要は登記代金です。
株式会社 資本金×0.007か15万円のどちらか高い方
合同会社 資本金×0.007か6万円のどちらか高い方

・税務署、労働局、年金事務所などへの届出(税務署以外は状況により届出が不要な場合もあります)
【違いなし】特にお金はかかりません。

株式会社、合同会社どれくらい差があるの?

ミニマム会社で、電子定款で、2024年12月1日以降に定款認証を受ける場合
株式会社 16万7000円程度
合同会社 6万円程度
→合同会社の方が10万7000円程度安い! となります。

共通してかかるお金はどのくらい?

・【役員、発起人、社員それぞれの印鑑証明書代】
公証役場での定款認証(株式会社の場合)、法人登記時の印鑑登録(合同会社、株式会社共通)で株式会社は役員や発起人全員の印鑑証明書を取ることが必須です。合同会社は手続き上必須なのは代表社員の印鑑証明書のみですが、社員全員の印鑑証明をとることをお勧めします。
個人の印鑑証明書:1通 300円程度(自治体により異なる)

なお、実印登録をしていない場合は、実印の作成と登録費用(※)がかかります。
(※)無料〜数百円の手数料のようです。自治体によります。

•【資本金】
株主が出資した会社のスタートの元手です。
1円からでOKですが、売上が安定するまでの資金に使うので、約半年の運転資金は資本金に入れておく、といわれています。また、役員報酬は資本金から支払えますが、事業主個人のお財布として使うことはできません。あまりに少ないと銀行の融資が通らない可能性もあります。
2023年度の開業資金の中央値は550万円、250万円以下の開業資金の会社が20%を占めています。(日本政策金融公庫 新規開業実態調査より)開業資金は資本金や手続き費用、家賃などの開業時の費用を含めた金額なので、例えば開業資金が250万円といっても資本金はそれ以下となります。
運転資金がかからない事業か、借入が不要な状態かなどにより、資本金は決めると良いかと思います。

•【会社の代表印】
法人登記の際に必ず必要になります。
代表印以外の銀行口座用の印鑑、角印、社判は必要なときに作ってもよいかもしれません。近所のハンコ屋さんや、インターネットでも作ることができます。こちらのサイトに相場が載ってましたので、掲載いたします。https://innkan.com/company_price/  (印鑑.comホームページ))
※記事作成時2024年11月22日時点では代表印の平均値は1万8397円でした。

•【会社の証明書代】
会社の登記事項証明書と印鑑証明書
(銀行口座開設や、税務署などの手続きで、登記事項証明書と法人の印鑑証明書が必要になります。)
登記事項証明書:1通 600円
法人の印鑑証明書:1通 450円

・【本店所在地】
人によって特に差が出る部分です。法人登記をするためには、必ず「法人の住所」が必要になります。自宅開業がOKでしたら、実質0円ですし、マンションなどで事業用の住所利用がNGの場合は、別の場所を借りる必要があるケースもあります。
法人登記OKのコワーキングスペースや、自治体が運営するスタートアップ支援の施設、バーチャルオフィスなどを検討することも良いかと思います。

共通してかかるお金を最小限で仮定して計算すると

経営者1人の会社、本店は自宅、設備投資はしない、経営者は実印がある、電子定款にする、Adobeは無料期間内に使用する、専門家へ依頼せず自分でやるという前提です。

・代表取締役または代表社員の印鑑証明書:300円(自治体によります)
・資本金:50万円
・会社の代表印:1万8397円
・電子定款作成のためのICカードリーダー約3000円
・会社の証明書代:600円+450円=1050円
・本店所在地は自宅:0円
→約52万2447円(資本金が1円だと約2万2448円)
仮に合同会社を資本金50万円で設立すると約58万2447円
仮に株式会社を資本金50万円で設立すると約68万9447円

という感じです。費用については本当に最小限なので、これ以上はかかるかな、と思っていただけたらと思います。

ちょっと感想です

開業資金もですが、運転資金もかかってくるので、開業時の費用はできるだけ抑えていきたいですね。
次回は運転費用や中身の違いについて見ていきたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。




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