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ざっくり学ぶ、ChatGPT


ChatGPT(チャット・ジーピーティー)は、AI(人工知能)を相手にチャットができるサービスです。

とはいえ、単なるお遊びツールとは異なり、OpenAI社が開発した「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」という高度なAIが、その場で会話の内容を作り出して返答をしてくれ、その内容もコンピュータが答えたとは思えないほど、自然な回答になるという特徴があります。このようなAIを「生成AI」と言います。

この記事では、そんなChatGPTを生活やビジネスに活用する方法について紹介しましょう。なお、この記事は2024年6月に執筆しており、ChatGPT 4o(後述)をベースに解説しています。追記などを行っていく予定ですが、最新の機能とは異なる点などがあるかも知れませんが、ご了承ください。


アカウントを作ろう

ChatGPTは、Webブラウザがあれば利用することができます。次のアドレスにアクセスしましょう。

https://chatgpt.com/

チャット欄が表示されて、すぐにチャットを始めることができます。ただし、この状態ではさまざまな制限があるため、アカウントを作成して、ログインをしてから使い始めた方が良いでしょう。

右下の「サインアップ」ボタンをクリックしましょう。

メールアドレスやGoogle、MicrosoftとAppleのアカウントと連係をして利用することができます。普段利用しているアカウントで作成しましょう。ログインをすると、図のように右上に自分のアイコンが表示されます。

ChatGPTの料金プラン

ChatGPTは無料でも利用することができますが、より高度に活用する場合には月額プランで利用すると良いでしょう。次の料金プランがあります。

https://openai.com/chatgpt/pricing/

Free(無償)

ChatGPTの各機能を制限付きで利用することができます。主に、利用できる回数や点数、機能などに一部の制限があります。まずは、Freeで体験をしてみて、実際に活用するときに「Plus」プランなどを検討すると良いでしょう。

Plus($20 / 月)

最新のChatGPT(GPT-4o)を無制限で利用できたり画像生成や、GPTをカスタマイズすることができる「GPTs」が利用できるようになるなど、ChatGPTの各機能を使いこなすことができます。

Team($30 / 月)

チーム管理者を設定でき、メンバーのChatGPTの利用状況の分析や、ワークスペースの設定を管理者が行えるようになります。

Enterprice(要見積)

企業単位で、より高度な利用を行う場合の料金体系です。

個人で利用する場合や、特にチーム管理が不要な場合は「Plus」で十分です。月額20$(3,000円前後)の負担は、若干大きく感じますが、その機能を使いこなせば十分役立つ内容になっています。

この記事でも「Plus」を前提に解説するため、Freeプランでは使えない機能などがありますので、ご了承ください。

macOSアプリとスマホアプリをダウンロードしよう

ChatGPTには、スマホ(iOS/Android)向けのアプリと、macOS向けのアプリが提供されています。

スマホアプリはアプリストアから「chatgpt」などと検索をすると利用できます。macOS向けアプリは、ChatGPTにログイン後、右上のアカウント画像をクリックすると、「macOSアプリをダウンロードする」というメニューがあるので、ここから入手しましょう。

macOSアプリは起動しておくと、「 Option + Space」キーですぐにChatGPTを起動することができるので便利です。

Webアプリのショートカットを作ろう

Windowsの方や、macOSアプリが利用できない環境の方の場合、Google Chromeを利用していると「ショートカット」を作成することができます。

Google ChromeでChatGPTにアクセスしたら、右上の「Google Chromeの設定」ボタンをクリックしましょう。「保存と共有→ページをアプリとしてインストール」メニューをクリックすると、アプリケーションとして保存することができ、通常のアプリと同様に起動することができます。

ショートカットキーなどは使えませんが、手軽に利用できて便利です。


チャットしよう

それでは、早速ChatGPTを利用してみましょう。ログインすると、図のようなチャット画面が表示されます。

一番下にメッセージ欄が表示されているので、ここに「こんにちは」などと入力してみましょう。AIから返答があります。


チャット欄には続けてメッセージを入力することができ、チャットのように「会話」を楽しむことができます。


返答の下部には、いくつかのボタンがあり、音声で出力したり、内容をコピーしたり、違う答えを再生成させたり、また良い返答だったかどうかを評価したりなどもできます。

左から、「音声で聞く」「コピーする」「再生成する」「低評価を送る」「モデルを変更する」

ChatGPTの注意点

ChatGPTで会話をすると、もっともらしい回答を得ることができますが、残念ながら必ずしも事実に基づいているわけではありません。あくまでも、世界中の情報から学習をしただけであるため、細かい事実が間違えていたり、まったく勘違いをしてしまうこともあります。

また、計算なども実際に行っているわけではないため、簡単な計算も間違えてしまうことがあります。

ただし、ChatGPT4oの場合プログラムやネットから情報を取得していることもあります。例えば、次の計算式を聞いてみましょう。

1から102までを繰り返し足し算すると合計でいくつ?

この時、返答の最後に図のようなアイコンが表示されます。

これをクリックすると、Pythonのプログラムが表示されます。

この時ChatGPTは、自らで回答を導き出したわけではなく、質問内容を元にPythonのプログラムコードを生成し、その結果を基に返答したということになります。

ネットから回答を得よう

続いて、次のような時期を問う質問を問いかけてみましょう。

現在の日本の総理大臣は誰?

今度は、応答の最初にいくつのサイトを検索したかが表示され、自身の知識からではなく、検索した結果を基に発言していることが分かります。

このように、最近の話題などを聞いた場合や、事実関係に基づく返答が必要な場合は、ネットを検索して返答するようになっています。

モデルとは

チャット欄の左上には「ChatGPT 4o」と表示されています(記事執筆時点)。これは、ChatGPTが利用している「言語モデル」というもので、ChatGPTの頭脳部分です。

ChatGPTの頭脳部分は日々進化していて、2024年現在で3.5と4、そして4o(オムニ)というモデルを利用できます。

ただし、4や4oは有料プランでないと十分には利用できず、無料プランの場合は一世代前の3.5が主に利用できます。モデルは返答の右下でも切り替えることができるため、無償プランの場合は日常的には3.5を利用しながら、より賢い返答が必要な場合にモデルを切り替えるなどして使い分けると良いでしょう。有料プランの場合は、基本的には4oを利用していれば問題ありません。

履歴とメモリー機能で「専用チャット」を作ろう

ChatGPTとチャットを始めると、右側にチャットのタイトルが自動的に一覧されます。

過去の発言をクリックすると、それまでの発言内容を見返せるほか、会話の続きを始めることができます。

実はChatGPTは、それまでの発言内容を覚えていて、それに沿って会話を続けてくれます。例えば、次のように発言してみましょう。

このチャットの最初になんて言った?

すると、一番最初の発言内容を教えてくれます。

このように、チャットの履歴を元に、発言内容を考えています。これを「メモリー機能」と言います。これをうまく利用すると、さまざまな機能を立ち上げたままにすることができます。

例えば、新しいチャットを作成して、次のように発言してみましょう。

次からの発言を英語に翻訳して

すると、ChatGPTはこの発言を記憶します。そのため、その次からの発言は英語に翻訳して返答する、翻訳ツールとして利用できます。


なお、右側のメニューボタンで、名前を変えたり不要なものは削除したり、アーカイブとして残しておくこともできます。

メモリー機能でプロンプトは不要?

ChatGPTなどの生成AIの使い方などを学習すると、「プロンプト」という言葉が登場します。

Promptは元々はユーザーに入力を「促す」といった意味のことばでしたが、AIの用語では「指示の内容」と言った意味で捉えられることが多いでしょう。

AIにこちら側の意図を正しく伝え、的確な返答を得るための指示の書き方を言い、ChatGPTでも初期の頃はメモリー機能がなかったため、1回の質問でいかに的確な返答をもらうかという部分で、プロンプトの作り方が脚光を浴びていました。

ただし、先の通りChatGPTの場合は、「メモリー機能」が搭載され、それまでの会話を覚えておくことができるため、1回の質問ですべてを伝えきる必要はなくなりました。また、従来のChatGPTは返答が来るまでに時間がかかってしまっていましたが、これも返答速度が向上したため、今では無理に1回ですべての指示を伝えるよりも、会話の流れを通じて、徐々に希望通りの返答になるように促した方が良いともいえます。

ただし、プロンプトテクニックはこの後紹介する、画像の生成や動画の生成AIなどでは、現在も有効です。

ChatGPTに仕事をお願いしよう

ChatGPTで最も役立つことの1つは、翻訳をしたり加工をしたり等、「言葉」を加工するのをお願いすることです。例えばここでは、英語版Wikipediaで何かの記事を見ていたとします。ここでは「ChatGPT」の記事を例に取りましょう。

これを読みたくて、英語が読めないという場合、これまでは翻訳ツールなどを使っていましたが、翻訳もChatGPTの得意分野です。

ChatGPTで新しいチャットを始めたら「次の文章を翻訳して」と話しかけましょう。そして、Wikipeidaの内容を貼り付けます。すると、翻訳をしてくれます。


続けて「要約して」と話しかけてみましょう。少し文章が短くなります。

さらには例えば「優しい言葉で説明して」とか「ひらがなに変えて」など、文章をさまざまに加工してくれます。こうして、ChatGPTにさまざまな作業を依頼して活用していきましょう。

ChatGPTで画像を作ろう

ChatGPT 4oは画像を生成したり、活用したりすることもできます。例えば、ChatGPT 4oに次のように話しかけてみましょう。

猫が鳴いている所の画像を作って

すると「画像を作成しています」と表示された後、何らかの画像が表示されます。

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