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3球目攻撃のデータ分析③
こんにちは、トモヒトです。
今回は、3球目のヒッティングポジションとショットタイプについて見ていきます。
分析方法
まずは、分析方法についてまとめます。
分析対象
今回は、2023年ATPツアーファイナルのラウンドロビン全試合(途中棄権は除く)を対象とします。
データ取得方法
目視によって、3ショット以上ラリーが続いたポイント(892ポイント)から、以下のデータを取得します。
サイド(デュース/アド)
1st/2nd
サーブコース(ワイド/ミドル/センター)
リターンポジション(リターンを打ったポジション)
3球目ポジション(3球目のショットを打ったポジション)
相手ポジション(3球目を打つ時点での相手ポジション)
3球目ショットタイプ(フォアハンド、バックハンド、ボレー、スマッシュ)
3球目コース(3球目のバウンド地点)
ポイント結果(ノータッチエース、ウィナー/相手のミス、4球目で失点、5球目でポイント、6球目以降)
リターンポジション、3球目ポジション、相手ポジション、3球目コースは、下のコート図の値とプラスマイナス(右半分が+、左半分が-)を入力します。
例えば、4Dの左半分に3球目がバウンドしたとすると、3球目コースは4D-となります。
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分析結果
それでは、分析結果を見ていきます。
ショットタイプ別ヒッティングポジションの分布
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上の図から、次のようなことが読み取れます。
3つのショットタイプとも、コート中央で打つ機会が多い
フォアハンドとバックハンドを比較すると、C+より右側はフォアハンドで返す割合が高い
=>アドサイドでもある程度まではフォアハンドで返すほうが効果的な可能性がある
3球目攻撃成功時の3球目ポジション
次は、ポイント結果が「ノータッチエース」または「ウィナー/相手のミス」のケースで、3球目ポジションをショットタイプ別に見てみます。
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3球目攻撃成功回数 / 3球目打球回数 = 3球目攻撃成功率とすると、成功率の分布は次のようになります。
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これを見ると、「3球目ポジションがネットに近いほど、成功率が上がっている」ことがわかります。
また、4, 5の高さだと、バックハンドと比べてフォアハンドのほうが成功率が高くなっています。
ここから考えられるのは、「サーブで浅いリターンを引き出し、できるだけフォアハンドで3球目を返すことで、3球目にポイントを獲得する可能性が高まる」ということです。
また、ボレーでの3球目攻撃成功率が全体的に高いことから、サーブ&ボレーを戦術に組み込めるように準備しておくことも効果的だと考えられます。
まとめ
今回は、3球目のショットタイプに焦点を当てて、3球目攻撃について見てきました。
今回の結果からは、効果的な戦術は次の2つとなります。
サーブで浅いリターンを引き出し、できるだけフォアハンドで3球目を返す
(自信があれば)サーブ&ボレーを混ぜる
ただし、今回のデータ収集方法からもわかるように、3球目までにポイントが決まったものを除外していることに注意してください。
これは、3球目にミスしたポイントも除外されていることを意味します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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