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コルドバ・オープン2020 D. シュワルツマン vs J. ムナールのスタッツ分析

こんにちは、トモヒトです。

今回は、2020年コルドバ・オープン「D. シュワルツマン vs J. ムナール」のスタッツ分析を行ってみます。

この大会は、シュワルツマン選手が準優勝した大会であり、この年の後半に世界ランクトップ10入りを果たしました。

日本人の平均身長と同じくらいのシュワルツマン選手が、どのようなテニスをするのか非常に興味があるので、シュワルツマン選手にフォーカスしてみたいと思います。

第1セット D. シュワルツマン 6-1 J. ムナール

スコアとしては大差をつけた第1セットですが、スタッツはどのようになっていたのでしょうか。

【サーブ関連】

1stサーブ確率
D. シュワルツマン=0.393(11/28) - J. ムナール=0.696(16/28)

サーブオンリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.571(4/7) - J. ムナール=1.000(2/2)

獲得サーブオンリーポイント割合
D. シュワルツマン=0.143(4/28) - J. ムナール=0.087(2/23)

1stサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.909(10/11) - J. ムナール=0.438(7/16)

2ndサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.529(9/17) - J. ムナール=0.429(3/7)

サーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.679(19/28) - J. ムナール=0.435(10/23)

サーブポイント獲得率でシュワルツマン選手が70%近くを獲得しています。
1stサーブ確率が40%を下回っていますが、入ったときのポイント獲得率が90%を超えているのが要因の1つだと考えられます。

1stサーブ獲得ポイントをみると、多くのポイントが0-4ショットラリーで獲得したものとなっている点も重要だと感じます。
0-4ショット=+7 / 5-8ショット=+1 / 9+ショット=+2

【リターン関連】

1stリターン返球率
D. シュワルツマン=0.750(12/16) - J. ムナール=0.545(6/11)

2ndリターン返球率
D. シュワルツマン=0.857(6/7) - J. ムナール=0.706(12/17)

リターン返球率
D. シュワルツマン=0.783(18/23) - J. ムナール=0.643(18/28)

1stサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.563(9/16) - J. ムナール=0.091(1/11)

2ndサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.571(4/7) - J. ムナール=0.471(8/17)

リターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.565(13/23) - J. ムナール=0.321(9/28)

リターンポイント獲得率でもリードしていますが、特に1stサーブリターンポイント獲得率の大きな差がポイントと考えます。
この部分だけで、シュワルツマン選手が8ポイントのリードを獲得しています。
2ndサーブリターンで-4ポイントとなっていますが、マイナス分を上回っているため、全体としてはポイント数でのリードを獲得できています。

1stサーブリターンでの獲得ポイントをみると、ラリー数での獲得ポイント数の差がサーブのように見られないのも、興味深い点だといえます。
0-4ショット=+3 / 5-8ショット=+4 / 9+ショット=+2

【ラリー関連】

ベースラインプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.655(19/29) - J. ムナール=0.303(10/33)

ネットプレー割合
D. シュワルツマン=0.118(6/51) - J. ムナール=0.039(2/51)

ネットプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.833(5/6) - J. ムナール=0.500(1/2)

0~4ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.516(16/31) - J. ムナール=0.484(15/31)

5~8ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.923(12/13) - J. ムナール=0.077(1/12)

9ショット+ラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.571(4/7) - J. ムナール=0.429(3/7)

ポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.627(32/51) - J. ムナール=0.373(19/51)

獲得ポイント差を見ると、+13ポイントのリードを獲得していますが、ラリー数別でみると5-8ショットラリーで+11ポイントと大きく差をつけています。
0-4ショット=+1 / 5-8ショット=+11 / 9+ショット=+1

また、割合の大きなベースラインプレーポイント獲得率で65.5%(ポイント差=+9)を獲得していることもポイントです。

第2セット D. シュワルツマン 7-5 J. ムナール

第1セットとは打って変わって接戦となった第2セットですが、スタッツはどのようになっていたのでしょうか。

【サーブ関連】

1stサーブ確率
D. シュワルツマン=0.512(22/43) - J. ムナール=0.500(19/38)

サーブオンリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=1.000(1/1) - J. ムナール=0.500(2/4)

獲得サーブオンリーポイント割合
D. シュワルツマン=0.023(1/43) - J. ムナール=0.053(2/38)

1stサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.727(16/22) - J. ムナール=0.526(10/19)

2ndサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.476(10/21) - J. ムナール=0.474(9/19)

サーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.605(26/43) - J. ムナール=0.500(19/38)

2ndサーブポイント獲得率にはほとんど差がない一方、1stサーブポイント獲得率での差が、全体のサーブポイント獲得率の差につながっていると考えられます。
1stサーブの獲得ポイントを見ると、第1セット同様0-4ショットラリーが過半数を占めています。
0-4ショット=+9 / 5-8ショット=+6 / 9+ショット=+1

【リターン関連】

1stリターン返球率
D. シュワルツマン=0.842(16/19) - J. ムナール=0.773(17/22)

2ndリターン返球率
D. シュワルツマン=0.789(15/19) - J. ムナール=1.000(21/21)

リターン返球率
D. シュワルツマン=0.816(31/38) - J. ムナール=0.884(38/43)

1stサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.474(9/19) - J. ムナール=0.273(6/22)

2ndサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.526(10/19) - J. ムナール=0.524(11/21)

リターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.500(19/38) - J. ムナール=0.395(17/43)

リターンポイント獲得率の差は、1stサーブリターンポイント獲得率の差によると考えられます。

リターン返球率ではシュワルツマン選手が下回っている一方で、リターンポイント獲得率では上回っています。
このことから、リターン返球時のポイント獲得率はシュワルツマン選手が上回っていることがわかります(19/31=0.613 vs 17/38=0.447)。

【ラリー関連】

ベースラインプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.580(29/50) - J. ムナール=0.431(28/65)

ネットプレー割合
D. シュワルツマン=0.222(18/81) - J. ムナール=0.037(3/81)

ネットプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.500(9/18) - J. ムナール=0.667(2/3)

0~4ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.600(24/40) - J. ムナール=0.400(16/40)

5~8ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.577(15/26) - J. ムナール=0.423(11/26)

9ショット+ラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.400(6/15) - J. ムナール=0.600(9/15)

ポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.556(45/81) - J. ムナール=0.444(36/81)

獲得ポイント差を見ると、+9ポイントのリードを獲得していますが、ラリー数別でみると0-4ショットラリーで+8ポイントと大きく差をつけています。
0-4ショット=+8 / 5-8ショット=+4 / 9+ショット=-3

まとめ

今回は、2020年コルドバ・オープン「D. シュワルツマン vs J. ムナール」のスタッツ分析をしてみました。

今回の試合では、0-4ショットラリーの割合が最も大きく、勝敗を左右しうる要素でした。

ラリー数内訳(試合全体)
0-4ショット=0.538 / 5-8ショット=0.296 / 9+ショット=0.167

この大会はクレーコートで、ロングラリーに注目しがちですが、9ショット以上のラリーは割合が低く、ポイント獲得率に及ぼす影響はそれほど大きくありません
まず、0-4ショットのラリー、次に5-8ショットのラリーに注目することが重要だと考えられます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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