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ふみサロ7月課題≪成功する複業≫を読んで

エッセイ塾、ふみサロに参加して3年目になりました。

毎月課題本から得たインスピレーションをもとに800字程度のエッセイを書き、参加者同士で講評する。SNSで発信するまでが課題。
以下がエッセイ


「私のわらじ」


20歳のころ、精神科で音楽療法のアシスタントをすることになった。右も左も分からない、患者さんとも接したことがない、これから勉強を始めようという時期だったから、まず、私が出来ることは、ピアノを弾くこと。患者さんたちが歌う歌の伴奏をすることから始まった。
こうして、学校ではクラシック、病院ではポップスを弾く、ピアノで二足のわらじを履くことになった。
しかし、ピアノが弾けるといっても、唱歌、演歌、歌謡曲、ポップスは数えるほどしか分からず、ほとんど知らない曲だった。曲目リストをもらって、楽譜を探して練習する日々。今のようにすぐ動画を探して、聴くことが出来ていたら、どんなに楽だっただろう。
 全く知らない曲をリクエストされることもあり、どれだけ冷や汗をかいたか分からない「そんな下手くそな伴奏じゃ歌えない!」と患者さんにお叱りを受けたこともあった。それもそのはず、必死に音符を追いかけて弾いているから、歌詞の内容なんて、二の次。曲の雰囲気が全然違っていたんだろうと思う。そのうちに、歌詞の内容はよく分からなくても、良い曲だなと感じる余裕が出てきた。大抵メロディーが素敵なのだ。いかにメロディーを素敵に演奏するかは、クラシックもポップスもジャンルは関係ないと感じるようになっていった。

クラシックは難しいと敬遠されることもまだまだ多いし、クラシック畑の人が他のジャンルの音楽を毛嫌いすることもあるようだけれど、多くの人が良いなと思う音楽はジャンルに関わらず、メロディーやハーモニーが良いし、それを素敵に演奏するには、共通のテクニックが必要だ。
ジャンルの違う音楽だからと、私は二足のわらじを履いていたつもりだったけれど、ピアノというわらじは一足で十分だったようだ。

そして、今、二足目のわらじ、ウクレレを弾けるようになるために、レッスンに通い始めた。子供たちが音楽を楽しむための入り口を増やそうと奮闘中だ!



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