「うちは特殊だから」ではなく「うちだったらどうできるか」でいきたい
先日 at Will Workさんの働き方を考えるカンファレンス2021に登壇してきました。
「働き方を支えるテクノロジーは変化したのか」
というセッション。当日は「働きやすさ」と「働きがい」についての議論が盛り上がりました。「働きやすさ」とは機械やシステムが作業を代替し、無駄な作業を減らすこと。「働きがい」とは働きやすい会社の中で一人ひとりが意義高く前向きに働けている状態。
働き方改革と叫ばれはじめたここ数年、コロナの影響もあり働きやすさへの投資は加速し、テクノロジーも手伝って「働きやすさ」への投資は踊り場に立ってきた。もちろんシステムの統合などまだまだ進化の余地は残す中ではあるが、「働きがい」への投資へと徐々にシフトしていくのではないかと話をしていました。
そんな「働きがい」に対してUniposで3年半に渡りサービスを提供してきている私として、働きがいに向きあい前に進む会社と進みづらい会社の特徴について考察をしてみました。
自分の組織が特殊だから。という前提は嘘だと叫びたい。
とある人事の方とお話ししていた時こんな言葉がありました。
「うちの会社では日々の仕事のうち9割はルーチンだ。だから仕事での工夫や意味を見出すのは難しいと思っている。変化が多い企業だとやりがいを見出すこともできるだろうが、難しいなあ」確かにそうかもなと思いました。
また別の人事さんとお話しした時は
「うちの会社は毎四半期担当業務や商材が変わる。よく変わるので仕事に意義を見出すのが難しいと思っている。同じ領域でやり続けられれば工夫も生まれてくるだろうが難しいなあ」確かにそうかもなと思いました。
たしかに、みなさん状況やお仕事は千差万別で違うかもしれない、でも抱えている課題は同じく「どうすれば一人ひとりが目の前の仕事にやりがいを見出し、工夫が産まれるチームになれるだろうか」である。
TESSEI社の事例をご存知でしょうか。彼らは東京駅での新幹線社内清掃を主な業務とされている企業さんで、新幹線清掃という単調な業務が多い中でも現場のみなさんが誇り高く仕事をしている例としてハーバードでもケーススタディとして提供されているまでになっています。。
2年3年かけて現場ではたらく一人ひとりと対話を繰り返しているうちに、自らの仕事を新幹線を舞台としたお掃除劇場だと銘打って生き生きと仕事をするようになり、海外からは「7分間の奇跡」と呼ばれるまでにいたりました。
そう至るまでにはもちろん一筋縄では行かなかったし、泥臭い地道な対話も重ねたと元取締役の矢部さんとお話ししたとき、おっしゃっていました。
「うちは特殊だから」ではなく「うちだったらどうできるか」
世の中には様々な先行例や成功例があり、手段や前提を見ると全く自分には役に立たないものに映ってしまう。もったいないなと思います。
事例やツール、アドバイザーなど様々な人事にとっての武器が転がっている時代になりました。この一つ一つを「うちは特殊だから」と一蹴してしまうと学びは止まってしまう。「うちだったらどうできるか」と思考するのはタダだし組織を前に進める可能性がある
そのための事例はたくさん生まれてきた。atWillWorkはまさに働き方の例を5年かけて集めてきた図鑑であるし、過去の日本企業にも学ぶことはたくさんある。
テクノロジーを提供する企業は世の中の成功事例を知り、だれでも再現できるようにしようと日夜努力を重ね続ける責任を負いながら開発を続けています。ツールを使うのも型を取り入れる一つの手段なのではないでしょうか
組織づくりでも事業づくりでも人との向き合いでも常に温故知新の姿勢を忘れず、常に「うちだったらどうできるか」と思考を続けていきたいと思います。
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