独言録♯11

30代〜40代に掛けて、身の振り方を多くの人が考えると思う。
それがプライベートの事でも、ビジネスの事でも、そういう事を考える機会は多いと思う。
昨日、取引している下請けの40代男性係長から、元気な明るい声で電話がかかって来た。

「会社を辞める予定でしたが、灯さんとの話もあり、周りからの説得もあったので、一旦保留にして、引き続き務めようと思います。ありがとう御座いました」

と、いう内容でした。

始まりは4月上旬、「相談したい事がありますので、お時間頂けませんか?」と電話がかかって来たのが始まり。
翌週、その男性と会って話を聞くと「会社に不満がある」だとか「私より仕事をしていない別部署の人が、私より給料が高い」とか「仕事の責任を私に押し付けてくる」とか。
彼は前々から上層部に相談をしていたらしく、再度その相談を持ちかけてみると、上層部から知らんフリをされたそう。
会社の闇を垣間見た彼は絶望感に打ちのめされたのだと。

結果、彼は退職を決断する事となる。

彼は家族、幼少期からの友達、親しいクライアントには退職を打ち明けているらしく、彼は私に事の事情を説明して、自分の考えに問題は無いか確認したいそうだ。事情を聞いた私は「次の仕事先は?」と聞くと「決まっていない」と返答が返って来た。加えて、お子さんが今年から大学生になり家計もだいぶ苦しいと言い出す。なので、転職活動に勤しんでいるとか。
「ならば会社を辞めないのが、1番良い選択なのでは?」と言うと「もう居るのが我慢出来ない程、嫌いなんです」と答え溜息を吐かれました。

彼と話をする前日、彼の職場の女性係長から連絡が来ていた。
「社長や専務も止めていて、私も彼を止めたいのですが、意思が硬くて…。社長からも止めるように言われていて、なんとかしたいのですが、話を聞いてあげてみて貰えませんか?」と彼女は言う。「彼が居なくなれば、とても厳しい状況になり、私もどうするか考えないといけなくなります」だそうだ。

彼の為を思い私に連絡を掛けてくる程、切迫した状況のようだが仕事仲間の事を思い行動できることは良い事だし、良い会社だなぁと素直に思う。

その事もあり、彼には退職をする、しない、は重要視せず、退職しなかった場合と、退職した場合のメリット、デメリット、だけ伝え、後は雑談をして話を切りあげた。

彼は自分の損得より感情を重視して、短期的に見れば損をする行動を正当化するバイアスに染まっていたので、そのバイアスに少しだけクサビを打つ事に。
話を終えた後、女性係長に打ったクサビを説明して、後は「直近で社長が真摯に対応すれば可能性があると思います。」と、伝える。

結果は冒頭の通りなのだが、疑問が残る訳です。

本当にこれで良かったのか?

皆さんはどう思いますか?

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