妻は世界へ、僕はキャンピングカーで。
天才の愛する妻が、海外出張へ旅立った。
もうすぐ4歳になる長男と、ついこの間2歳になった次男を連れて、男3人キャンピングカーで故郷の高知へ帰省することにした。
仕事の時間をどう確保するか、最後の最後まで苦戦したけど、子どもたちと最高の時間を過ごすことができたと思っている。何より子どもたちは本当によく頑張ったね。
僕たち家族のあり方として、子どもたちと過ごす時間は僕の方が長いし、子どもたちからしても一番身近な存在は僕だと思う。子どもたちのありのままの姿を見てあげたい気持ちがある一方で、物理的に近いが故に見えなくなることもある。
その近すぎて見えていなかった子どもたちのありのままの姿が、この旅を通じて見ることができたと思っている。もしかしたら、子どもたちも僕のありのままの姿も見たのかもしれない。当たり前だけど、子どもは親を選べない、親も子どもを選べない。奇跡的な縁で僕たち家族に舞い降りてきた2つの命と親になった僕。
妻は海外、僕はキャンピングカーで、そのあり方を噛み締め、味わい尽くしている実感があった。それは当然、痛みや悲しみも伴っている。妻かな多もいたら、もっと最高だったよなとホロリとする瞬間もたくさんあった。パパだけじゃ限界だよね、辛抱しようね、と感じる瞬間もたくさんあった。「ごめんね」という言葉がこれほどまでに意味を持たない、この環境を受け入れるしかない、それは僕だけじゃなく、子どもたちも含めて。本当に自分たち家族の人生を生きている、生を実感する旅だった。
帰り道のフェリーの中、長男に聞いてみた。
僕「保育園に行くのと、パパと琉生と琉叶の3人で旅に出るの、どっちが楽しい?」
長男「うーん、パパと琉生と琉叶で冒険すること!」
その答えに、僕はびっくりした。意識的に言葉を選んだかどうかはわからないが、息子たちからしたら、まさしく“冒険“だったのだ。
移動は決して楽じゃなかったと思う、シートベルトに固定されての数時間の移動の連続、大人だって大変なのに。でもそんなことは関係なくて、キャンピングカーから見える景色、はじめて降り立つ町で繰り広げられる稀有な出会いや何気ない会話、丸っと総じて「冒険」だったと思うと、とても感慨深いものがある。
特殊な家族の形だけど、それを一緒に楽しんでくれている子どもたちに心から「ありがとう」。