【肩】腱板(カフ)の解剖学的な話
こんにちわ!
さあ2022年になりましたけれども、今年も基礎を固めていこうと思います。
そして今年は理学療法の勉強に限らずいろんなことを勉強していきたいと思います!
そして本日なんですが、
回旋筋腱板について簡単に話していきたいと思います!
肩関節の患者さんを診る上では必ず知っておくべき内容ですので要チェックです!
回旋筋腱板とは?
回旋筋腱板とはよく「腱板」や「カフ(cuff)」といわれるもので
肩甲骨から上腕骨に付着しているインナーマッスルの総称です。
そのため、肩関節の運動に関与しますが、どちらかというと関節運動よりも上腕骨頭を関節窩の中で安定させるよう働きます。
もしこの腱板が損傷したり何かしらの異常が生じてしまうと動作の中で肩関節が不安定な状態になってしまいます。
そうなってしまうと、肩関節を安定させるために三角筋や大胸筋などのアウターマッスルが優位に働くようになり、代償的に安定性を高めます。
しかし、そうなってしまうとアウターマッスルの過緊張が起こったり、優位に働くようになってしまうので、動作の中で骨頭の求心位を保つことが難しくなり、骨頭前方偏位や上方偏位が生じてしまいます。
棘上筋
肩関節の外転作用を持っているが、関節運動の作用よりは
骨頭を関節窩に引き付ける作用のほうが大きく、支点形成作用が主。
また、肩関節の回旋軸の前後にまたぎ、大結節に付着しているため、
回旋の運動軸の前を走行する前部線維は内旋
後ろを倉庫する後部線維は外旋に作用します。
下垂位と比べて挙上角度が大きくなっていくにつれて、棘上筋の機能も徐々に低下します。
肩関節の外転時には三角筋とのフォースカップル機構によって棘上筋は骨頭を関節窩に引き付け、三角筋は回転モーメントを発揮し、相互に協調することで肩関節の外転が生まれます。
圧痛所見の好発部位としては棘上窩の内側1/4で認めることが多いです。
棘下筋
棘上筋と同じように関節運動の作用よりも骨頭を関節窩に引き付ける作用のほうが大きい。
棘下筋は肩関節の内外転軸を上下にまたいでおり、
上部線維と下部線維にわけられる。
上部線維は下垂位で、下部線維は挙上時に伸張されやすく作用しやすい。
下垂位では上部線維が特に外転に強く作用し、骨頭上方偏位の抑制に作用すします。
よく拘縮肩の患者さんでは、三角筋の過緊張などによって屈曲・外転時に骨頭の上方偏位が生じてしまいますが、それを制御するのは棘上筋よりも棘下筋や肩甲下筋のほうが大きかったという報告も見られます。
そのため、腱板の機能不全では棘上筋と同じくらい、もしくはそれ以上に棘下筋も大切といえます。
2ndポジションでは下部線維が伸張位となり、より肩関節の外旋に作用します。
圧痛の好発部位としては棘下筋の近位部よりも遠位の肩甲上腕関節の後面で多いです。
肩甲下筋
腱板の中でも唯一の内旋筋で、棘上筋・棘下筋・小円筋などのほかの外旋筋と同時に活動すると、運動軸の支点形成に強く作用します。
肩甲下筋は肩関節の屈伸軸を上下にまたいでいるため
下垂位では上部線維が、挙上位では下部線維が強く作用しやすくなります。
特に下垂位などでは骨頭の前方偏位の制動し、骨頭の安定性を高める役割を持っています。
圧痛の好発部位は、遠位部よりの肩甲骨の外側縁付近でみられやすいです。
小円筋
ほかの筋肉と同様に関節の運動作用よりも関節の安定性に作用している筋肉です。
棘下筋と同様に外旋作用が強い筋肉ではありますが、
下垂位では小円筋は短縮位であるため比較的作用は弱いです。
しかし、2nd・3rdポジションでは小円筋は伸張位となるため、より外旋作用が強くなります。
また、小円筋は後方関節包と結合しており、肩関節の外旋時には後方関節包が関節にて挟まれないようにする重要な作用を持っています。
圧痛の好発部位は全体にてみられやすいですが、特に停止部の大結節付近にて多いです。
まとめ
今回は腱板について書かさせていただきました。
各筋肉の運動作用は知っている方がほとんどではあると思いますが
・下垂位や挙上位などポジションによってどの筋の作用が強くなるのか
・骨頭の上方偏位・前方偏位を制動する筋肉
など細かいところまでは知らない若いセラピストも中にはいらっしゃるかと思います。
1年目の時は僕も知りませんでした…
若いセラピストのこれからの臨床に生きる知識になれればと思います!
ではでは!