【基礎】変形性股関節症について-症状と病期分類-
こんにちわ!
今回ですが変形性股関節症についての症状と病期分類などについて
主に書いていこうと思います!!
変形性股関節症とは
関節軟骨の退行性変化や摩耗による関節破壊と、骨硬化や骨棘などの反応性の骨増殖性変化が徐々に進行しながら関節が変形していく慢性の股関節疾患のことを指します。
変形性股関節症でも2つに分かれています
基本的には二次性の変形性股関節症が多くを占めており、特に臼蓋形成不全がその原因として多いといわれています。
初期の変化としては関節軟骨の変性から始まっていき、運動により摩耗し、病態の進行とともに薄くなっていき、軟骨下骨に加わるストレスが増えることによって骨硬化が起こります。
特により負荷・圧力が集中する部位においては骨嚢胞の形成、骨棘の形成がみられ徐々に大腿骨頭・臼蓋が変形していきます。
有病率と男女の差では変形性股関節症の有病率は1.0-5%で男性よりも女性の方が高いといわれており、さらに遺伝的な影響もあると言われています。
症状
病期が進行すると主な症状としては疼痛と可動域制限が生じやすくなってきます。
特に可動域に関しては骨頭や臼蓋の変形が強くなることによって
股関節屈曲・内転or外転・外旋での拘縮がみられることが多いです。
病期分類
レントゲン上から判断し、4つの病期にわけられます。
①前股関節症
臼蓋形成不全のみで軟骨の摩耗などの関節症の変化はほとんどない
②初期股関節症
関節裂隙の狭小化が軽度みられる、骨硬化+
③進行期股関節症
関節裂隙の明らかな狭小化、骨頭や臼蓋での骨棘形成、嚢胞形成などの変化+
④末期股関節症
関節裂隙の消失、広範囲の骨硬化・骨嚢胞・骨棘の形成を認める
病期分類と痛みについて
上記の病期分類は基本的にはレントゲンによって分類されますが
レントゲン上で進行期股関節症・末期股関節症だからといって
必ずしも痛みが出ているわけではないことがあります。
これは変形性股関節症に限らずの話でなんですが
例えば変形性膝関節症のKL分類grade3の方でも痛みは出ない方もいらっしゃいますし、逆にOAが特になくても痛みが出ていることがあります。
なので、患部の疼痛と病期の進行は必ずしも一致するわけではありません。
日常生活動作について
変形性股関節症でのADL制限では歩行をはじめとし、更衣動作(ズボンを履く、靴下を履く)、爪切り、入浴時の浴槽をまたぐ動作などが制限されやすいです。
特に歩行での評価が大切になり、大殿筋や中殿筋の筋力低下によるトレンデレンブルグ徴候やデュシャンヌ徴候を呈したりします。
また、股関節屈曲拘縮による伸展制限によって、立脚中期から立脚終期にかけて骨盤前傾や腰椎伸展が過剰に入っていることがあり
それによって歩行時の腰部への痛みなどにも影響が及ぼされることもあります。
まとめ
変形性股関節症は臼蓋形成不全などの基礎疾患があって二次的に発生しやすいといわれています。
関節窩が浅く不安定になりやすい状態で、さらに殿筋群などの弱化があると臼蓋もしくは骨頭自体にストレスがかかってしまい、そのストレスが持続することによて変形につながっていってしまいます。
また、変形・病期の進行と疼痛は必ずしも一致するわけではありませんので、そこは実際に臨床の中で股関節周囲の細かい疼痛の評価が大切になります。
関節は変形すると手術以外では元に戻ることはありませんが、
その変形の進行を少しでも遅らせれるようにしていくことや変形がある中でも、治療の中で疼痛を軽減させたり、歩行時の杖などの使用など生活動作の中での工夫によって少しでもが患者さんが楽に生活できるようにしていくことが大切になってきます。
ではでは。