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中国 ブーム到来!? 漢服の魅力を徹底分析してみた‼︎

なんだ!? コスプレか!? 漢服を着た若者を目撃‼︎

つい数ヶ月前、ゲームに出てくる様な中国服を来た男性2名を重慶の街中で見かけたのである。気にも留めずに『どこかで、コスプレイベントでもあるのだろう。』と思っていたのだが、その1ヶ月後、またもや同じ様な服装をした男女カップルを見かけたのである。よく考えると、イベントとしては見かける人数が少な過ぎる。『流行ってるのかな?』と少し興味が湧いてきたのである。

重慶漢服若者たち


上記の街中を漢服で闊歩する若者たちの写真は、重慶の中心街をほんの1時間ばかり散策した時の写真である。数人の男女グループやカップル、女性グループなどが漢服を着ているケースが多い様だ。たった1時間でこれだけ見かけるとは‼︎本当に漢服ブーム到来の様である。

中国服といったらチャイナドレスじゃないの!? 漢服との違いは!?

中国の代表服と聞けば、何といってもチャイナドレスであろう。オジサンたちが『Oh~‼‼ナイス!!』となるヤツである。中国語では「旗袍(チーパオ)」というのだが、今回の漢服とは系統が違うということが判明した。チャイナドレスとは、中国最後の王朝である清朝を支配した満州族の民族服に西洋的な要素を融合した衣装のことであり、中国人の伝統的民族衣装である漢服とは位置づけが違う様である。

チャイナドレス


チャイナドレスっと言っても我々の知っているタイトで足の付け根までスリットが入っており、体のラインがハッキリとなる従来のものと違い、最近では現代風にアレンジされていた。さすが中国、こういった伝統衣装までも変化させてしまうところはいつも感心させられる。

一方で、漢服については中国語では汉服(ハンフー)と読み、紀元前2500年から1600年までの間、中国で暮らす漢民族の間で着用された伝統衣装で、約4000年の長い歴史があるという。中国では漢民族と少数民族を合わせて56民族。そのうち91%を占めるのが漢民族である。その漢民族が着ていたという漢服は圧倒的なシェアを占めていたこととなる。

かなり広範囲に長く普及していた漢服であるが、最近の主な購入層は1990年以降に生まれたミレニアル世代〜Z世代以降の若者で、83%が24歳以下、女性が8割という。何やら奥が深そうである。

漢服について徹底分析してみた‼

少し調べてみると興味が湧いて火が付いてしまうもの… 漢服について、無限にあるネット情報から自分なりに納得いくまで、ザックリと調べてみたのが下記内容である。間違っていたら申し訳ないが、一緒に勉強するつもりで付き合って頂きたいw。

流行のきっかけとは⁉

共通の流行雑誌がなく各地域で文化や言語が異なっており、ブームが起きにくい中国で、何が原因で漢服が流行になったのだろうか⁉︎

(1)映画・ドラマ

映画ドラマ


①『大唐荣耀(麗王別姫 〜花散る永遠の愛〜)』

2017年に放送された作品で、2シーズン合計で82話もあるという長編ドラマ。

②『天乩之白蛇传说』  

中国古代の四大民間伝説の一つとされている「白蛇伝(はくじゃでん)」の実写版のドラマ。

③『锦衣之下(花様衛士~ロイヤル・ミッション~)』 

明の朝廷で「厳 嵩/世蕃の父子が権勢をふるっていた頃を舞台にしたドラマで、2020年初めにドラマ再生数ランキングを賑わせた大ヒット作。

④『長安二十四時』 

アメリカのドラマ「24(トゥエンティフォー)」を参考にした、爆破テロを企てるテロリストたちの陰謀を阻止し、長安の街を守るというノンストップ・アクション時代劇。日本では2020年4月、WOWOWにて日本初放送をスタート している。 

(2)Weibo・WechatといったSNS

今の中国の情報源の中心であるSNS。見た目にインパクトがあり、萌萌感も凄い漢服が流行るのも頷ける。

(3)Bilibiliや抖音(Tik Tok)などの動画サービス

今中国は『読む時代から見る時代へ』と変化してきている。何事にもスピード感がある中国では、当たり前といえば当たり前か…。

(4)着方が簡単、着心地も楽でカッコいい

漢服は日本の着物と違い、難しい着付けは必要がなく、普段着としても着る事ができる。また、中国的模様やドラゴンのモチーフなど、チャイナテイストのファッションや文化が若者の間で「カッコいい」と評判となり、そうした流れの中で「昔、私たちの先祖が着ていた漢服を着てみたい」という若者が増えていった。現在売られている漢服は、今風にアレンジされているので尚更である。

(5)自国文化に対する自信の表れ

漢服は戦後、文化大革命(1966-1976年)によって着用を禁じられていた過去があったが、2000年以降、多くの若者が中国の伝統的な服に注目し、中国の素晴らしい伝統文化を愛するようになっている。最近、中国が世界的にも実力を発揮し始めたという事も相まって、元々強い愛国心が再燃したとも言えるだろう。

ネットで爆流行りの漢服の凄さ

私は今回調べてみるまで、ほとんど知らなかったのだが、かなり流行っている様である。人口14億人の購買力の凄さが分かる数字がズラリ…。

微博(ウェイボー)  =Twitter

「漢服」関連の話題のクリック数は29億2000万回。

抖音(ドウイン)    =Tik Tok  

「漢服」を検索すると、151万8000件の動画がヒット、再生回数は380億6000万回。

bilibili(ビリビリ)  =Youtube・ニコニコ動画

中国風スタイル愛好者の数は8347万人。

淘宝(タオバオ)   =アマゾン

漢服の売上高は20億元(320憶円)を超え、漢服を購入した消費者の数は約2000万人。「漢尚華蓮」や「重回漢唐」、「如夢霓裳」などの人気ブランドも生まれている。また、2億人の登録者数を持つ国民的スマホゲーム「王者荣耀」や、日本でも放送された中国ドラマ「長安二十四時」なども漢服ブランドとのコラボし、キャラクターをイメージした漢服を発売している。

漢服の時代と服装の種類

スタッフに聞くと、漢服には『時代によって、種類がある。』とのことだった。下記が中国の時代と漢服の種類の関係性である。

時代と漢服

漢服は大きく分けて、漢代、唐代、宋代、明代のデザインを主とし「上衣下裳(襟のある上着とスカート状の下衣)」や「深衣(丈が長く、裾が広がった、ゆったりとした衣服)」「襦裙(短い上着とスカート)」などがあるという。

実際に漢服っていくらで買えるの?

ネットで漢服を検索すると、星の数ほど漢服の女性や男女のプロモーション写真があるのだが、驚くほどどれも美しい。奇麗すぎて見惚れてしまい、ついついポチってしまいそうになった自分に驚いた。オジサンの私でもこうなるのだから、若者にとっては当然魅力的に映るだろう。

漢服の写真


豪華な衣装で目立つ漢服。更に髪飾りや専用の靴、うちわなどを合わせると、さぞかし高いのだろう。『今の若者はお金持ってないから、服を買うのも親のスネをかじるのか~!?』などと思いながら、淘宝(タオバオ)という日本でいうアマゾンの様なサイトで検索してみた。

漢服の付属品


本格的な物は1万元(16万円)というものも有るらしいが、それを除けば200~800元(3200円~12,800円)程度で全て揃ってしまう驚きの価格帯である。安いものだと148元(2400円)…。中国はこういう衣料系にはめっぽう強い。この値段なら、お金の無い若者世代に流行るのも頷ける。

愛国心は良いもんだ〜‼︎ 国潮のススメ〜‼︎

如何であっただろうか!? 自分なりに納得できるまで漢服について調べてみたのだが、この様なブームとなっているのは漢服に限らず、大きな流れとなっている様である。この流れを数年前から「国潮(ゴウチャオ)」というそうだ。「国潮」とは「①中国伝統文化の要素が取り入れられている ②伝統文化と現在の潮流を組み合わせて商品にトレンド感を出す」という2つの側面を持つことらしいが、ファッション性が受け入れられていると同時に、国産品や文化をリスペクトする気持ちも含まれているという。

コロナ禍の中、外国に行けない鬱憤を国内に目を向けているのに加えて、中国は今や世界第2位の経済大国となり『中国の文化を主張することは、もう恥ずかしくない‼︎』という自信からも、愛国心が増し増しになっているのだろう。

中国選手ウェア

最近の世界的なスポーツ大会などで、中国の選手は国産ブランドウェアを着ていることが目立つ様になった。
最近の世界的なスポーツ大会などで、中国の選手は国産ブランドウェアを着ていることが目立つ様になった。
確かにここ数年のオリンピックやスポーツの世界大会などで、中国の選手が来ているウェアを見ていても、昔はアディダス、ナイキなどだったのが、最近はANTA(安踏)、LI-NING(李宁)といった中国国産スポーツブランドが目立つ様になって来ている。

中国マネーが外国に落ちなくなるのは少し心配の要素ではあるが、自国を愛することは良いことである。日本も伝統文化を重んじつつ、今風に大胆にアレンジしてゆくのも内需を活性する一つの手段ではないだろうか。



著者プロフィール   良かったら閲覧くださいね〜

中国生活7年目の🇨🇳駐在員。上海4年・重慶3年。日本人が初めて行くような田舎地方もたくさん放浪してます。日本の報道には決して出ない様な”中国リアル体験談”をドンドン発信して行きますね!!



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tomosakari
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