あごひげ
去年の夏ごろにあごひげを生やした。
いや、「生やした」という表現には語弊がある。夏休みで家に引きこもっている間に放置してどこまで伸びるのかある種の実験をしていたところ、「あれ、意外と似合ってね?」となり残したのである。鼻の下のところも伸びたが、なんだか小汚い感じになったのであごひげだけ残した。それ以外は全然伸びなかった。どうせならダンブルドア校長ぐらい伸びたほうが面白いんだけどなあ。
そんなことはさておき、生やしてからの周囲(大学生)の反応が様々であった。
一番多かった反応は「なんで伸ばしたの?」という反応であった。正直明確な理由があった訳ではなかったから返答に困った。
さらにその内半分くらいの人は「モテたいの?」だとか「好きな人ができて、その人の好みによせたの?」だとか恋愛の話に持っていこうとしてきた。中には裏で「あごひげが好きな女子なんていないけどね」と言う女子もいたらしい。
「なんだ?お前らほっとけ、バカ!お前らは異性のためだけに見た目をどうこうしてんのか!?お前らみたいなやつらが顔で選ぶだけの恋人いることがステータスみたいな薄っぺらい恋愛すんだろうな!あとお前らから面白いエピソードトーク一つも聞いたことねえかんな!」と言いたい気持ちをぐっと抑え、「いやー何となくだわ~」と答えたのはここだけの話。
世の中の人って他人のイメチェンの理由に興味あるんですね。初めて知りました。見た目を重要視してる人って多いんだなあ。
あとは「Tomorrowも、ともろうという人間があごひげを生やす」という現象が面白いらしく、いじってくる人たちも多かった。まあこれはもともと自分がいじられキャラかつツッコミ体質なので予想できたし、笑いになるのはいい事なのでそこまで気にはしなかった。(まあ似合ってないことはないのにいじるというのは成立してないような気もしたし、数か月経っても同じようにいじってくる人は少し面白さの評価が下がったりもしたが。)
いじるとは若干違うがあごひげを触ってくる人もいた。いやまあいいんだけど、将来妊婦さんの腹を当然のように触ってセクハラで訴えられないようにね?とは思った。
まあでも、ある意味でいじる人たちはいじられキャラというTomorrowも、ともろうという人間の内面を見てくれているような感じがするな。となるとさっきの人たちとは価値観が反対という印象になるな。
一番気持ちがよかったのは「めっちゃいいじゃん!」「カッコいいね!」とか褒めてくれる人だ。(ほぼ男子の先輩だった。)誰かのためにあごひげを生やしている訳ではなかったが、素直に褒められる嬉しかった。いや正直、かなりめちゃくちゃ嬉しかった。大好きです、ありがとうございます。
そして褒めてくれる人たちは面白い、一緒にいて楽しい、周囲から好かれているという印象が強い人たちだった。すごいわ。こんなんできるのって最強だよなあ。
これが実際合ってるかなんてわからないし、人間は千差万別でカテゴライズなんてできないし、人間の考えなんて変化するしけど、あごひげを通してその人の他人(自分)に対する振る舞いや考え方、価値観がうっすら見えた気がするな。面白いな。あごひげ心理テストが確立されたら流行るんじゃないか?
いやー新しいバイトのためにあごひげ剃ったんだよなあ。どんな反応されんのかなあ。ちょっと楽しみだなあ。
いや、我ながらぐちゃぐちゃ考えすぎだわ!!!!!
そんな風に人をジャッジしてるからモテねえし友達少ないんだろうが!
、、、、、その通りです。ごめんなさいね。もし読んでくれてる人いたら。こういう人間なんですよ。ええ。多分今後のnoteもこんな感じになるんじゃないかしら。これが自分の良さでもあり、ダメさでもありますね。まあ自分にはない考えや価値観に触れられてよかったんじゃないでしょうか。とりあえず、他人を褒められる人間になりたいと思いました。あごひげであれこれ考えたよってお話でした。
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