NEGISOBA
某所名物の、悪ふざけみたいな見た目の料理。
初音ミクのコラボカフェでもここまでアクセルを踏まないと思う。
しかも推奨される食べ方も特異で、ネギで麺を持ち上げて啜り、時折りネギを齧って薬味として楽しむものなのだそう。
(普通に割り箸も提供されます)
どんな味がするか?と聞かれたら、恐らくは万人が想像できる味。
美味しい蕎麦をネギで食べるという味。
しかし信じられない事に、正直言ってめちゃくちゃにハマってしまった。
いや、感動と言っても良いでしょうね。
グループの中で唯一、ネギごと完食してしまったほど。
同行者3人が食べきれなかったネギを自分が食べ尽くしたほど。
家でもこの食べ方をし続けようと思ったほど。
ネギはそれなりに辛味の強い物が使われていて、さらに鰹節の下には大根おろしがあるのですが、ここにも辛味がある。
これが非常に良い。
ネギの辛味を期待してこの蕎麦を食べに来た人間は、その辛味の乗算が美味さとして感じられるんじゃないでしょうか。
ちなみに、自分は子供の頃から家系ラーメンを食べる際、レンゲ3.4杯分ほどの卓上ニンニクを入れて、その下から麺を潜らせて啜る食べ方を編み出してハマってしまい、いつしかそれに『海坊主』という名前を付けて今も密かに続けてしまっているほどにはヒガンバナ科ネギ属の「辛味」に取り憑かれた人間です。
中立的な味覚を基準とした食レポは不可能なタイプだと思います。
多分、あんまり参考になりません。
ネットミーム等で「ニンニクのライブ感」といったワードを予め取り入れてしまった、辛味中毒者の私見です。
大きな衝撃を受けた逸品でした。
なんというか、「あ、こういう事してもいいんだ」という、マナーやルールの穴を突かれた感覚というか。
だって、どんなに薬味が好きで自炊時に刻みネギを大量に入れてしまう人だとしても、「ネギを箸代わりにした上で薬味としてそのまま齧る」なんて発想には至る事が無いじゃないですか。
いや、発想まではあったにしても、それを実行に移し、果ては名物として大々的に発表するまでは行かないじゃないですか。
しかも箸が段々無くなっていくし。
この時点で発想は取り下げるでしょう。
「どう思われてもいい」という覚悟がなきゃそこまでは進めない。
そして一般的な価値観から見れば、明らかに行儀が悪いそれを
「これが『食べ方』です」 と言い切って目の前に出してしまえばそれに従わざるを得ないし、それを心のどこかで「なるほど」と納得してしまう。
一本取られた気持ちになってしまう。
これはもう『円卓のナプキン』ですよ。
再度申し上げますが、これは野生動物だったらとっくに死んでしまっているような辛味中毒者の私見です。