〈to’morrow vol.11〉出演者紹介：NEHANN

2021年9月5日 20:56

tomorrow vol.11 フライヤー

9月18日に小岩BUSHBASHで開催する「to'morrow vol.11」。出演者はA VIRGIN、BROTHER SUN SISTER MOON 、NEHANN、THE PLANET WE CAN SEE、Sugar Houseの5組のアーティストとDJに「SCHOOL IN LONDON」から村田タケルを迎えての開催だ。

to'morrow 名義でのイベントでは恒例にしていきたいnoteでの出演者紹介。
A VIRGIN、BROTHER SUN SISTER MOONと書いてきたので今回はNEHANNについて。

NEHANN

2019年2月結成、東京を拠点に活動中の5人組ロックバンド、NEHANN。Joy DivisionやThe Cureといったバンドから90sのNirvanaを筆頭とするグランジ〜オルタナバンドからの影響を公言するバンドだ。

昨今のUKのポストパンクなどのシーンとも共鳴するかのように「Star」「Nylon」「TEC」といった楽曲を敢えて7インチで続々とリリースし、5月にデビューアルバム『New Metropolis』を発売。更にはyahyelをゲストに迎えたレコ発ライブがソールドアウトするなど、日本のポストパンク・シーンを牽引していくバンドになるだろうと思っているバンド。

僕はNEHANNの一番の特徴的な部分といえば、何よりも”王道”なところであると思う。彼らをジャンルで表現するのであればポストパンクやニューウェーブという単語が一番よく使われると思うのだけど、例えば”5人組ポスト・パンク・バンド”ではなく、"5人組ロックバンド"と紹介したくなる。そのくらいハッキリとした芯と迫力がヴォーカル、クワヤマヒロタカの唄から伝わってくるし。だからポストパンクやニューウェーブだけでなく、ゴス、オルタナ、ノイズパンク、更にはBlack MarbleやHouse of Harm とかにも共鳴するエレクトロ・パンクな「TEC」のような楽曲までがアルバムに収録されていても最終的には、王道のロックアルバムとして成立しているのが彼らのデビューアルバム『New Metropolis』の凄さだと感じます。

そして、彼らの音楽は先程から言及するようにポストパンクやニューウェーブといった80sのヒーローたちが作り上げた音を軸としていることは間違いないのだけど、その中でも例えば「Hazard」とかは90sのUSのグランジやオルタナ、更には2010年代に活躍したSavagesやMourn、Metzといったバンドのことも頭に浮かんくる。個人的には2010年代のオルタナバンドの一つの特徴であると思っているナイフのように鋭いギターサウンドも活用していたりもするし、僕がライブを観たときはRadioheadやNirvana、New Orderのカヴァーを演奏していたのですが、過去にはDIIVやIceageなどのカヴァーも演奏しているらしく、過去からの影響だけではなく、現在進行系の活躍しているアーティストたちの音楽からも日々吸収していることがよくわかる。

そしてアルバムのラスト前を飾る「Ending Song」では完璧なバラードを披露し、ラストは疾走感とダークなセクシーさがたまらない超キラーチューン「Star」で『New Metropolis』という作品は幕を閉じるのですが、デビューアルバムから一つの完璧な世界観をここまで作り上げられるバンドは中々いないと思うし、そういう意味で既に一つ完成したライブを披露し、完成したアルバムを作ったNEHANNというバンドが、2020年代にどう活動していくのか、どんな音楽を残していくのか、それは日本なのか海外なのか、そういった色んなことが楽しみなバンドでもあります。