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SXSW2023の全出演者を聴いたのでオススメ20選を選んでみた!

LAへ向かう飛行機の中でこの記事を書いている。本当に久々のSXSWでワクワクが止まらないよね。SXSWというのはテキサス州はオースティンで毎年3月に開催されているフェスティバル(サウス・バイ・サウス・ウェスト)。日本では「世界最大の見本市」などと呼ばれているフェスで、ミュージック、フィルム、コメディーといったカルチャー色の強いテーマからテクノロジーやカンファレンスといったビジネス色の強いテーマまでが一同に集まったフェスティバルである。

僕はコレまでに2回参加していて、本当にどちらも素晴らしい体験になった。以前幻のSXSW 2020のオススメアーティスト25選。という記事で書いた通り僕にとってSXSWはビジネスの面以上に好きな音楽を答え合わせする場であり、今までの再開の場であり、ずっと連絡取ってた人とようやく会える場である。

その記事でも書いたけど、僕はオフィシャルのイベントよりも様々な個々が主催しているアンオフィシャルのイベントを中心に毎回遊んでいて、今年は3回目のSXSWで遂にアンオフィシャルのイベントを共同開催できるコトになった。

地元のイベンターと一緒に開催する「SIGN OF THE TIMES」というイベントで、僕は海外(アメリカ以外)のアーティストのブッキングを担当。会場のABGBという場所は僕も大好きなビアガーデン、ステージの後ろでビール作ってるんだぜ?クールすぎない?

SXSWにいる人がいたら間違いないので見に来てほしい。

Instagram:ABGB

という事で、今回はこのイベントに出演してくれるアーティストを含めた僕が絶対に観ておきたいと思っている20組のアーティストを紹介しようと思います!もうSXSW始まってるけど!

1. Been Stellar (New York / USA)

インディーファンにとってはお馴染みのイギリスのミュージックマガジン〈So Young〉が運営しているレーベル〈So Young Records〉が初めてサインした事でも話題になったNYCを拠点に活動中のバンド、Been Stellar。元No Vacationのドラマーとかも参加しているバンドで、NYCの学生を中心に人気を集めていたバンドがbeabadoobeeのOAに抜擢されるなど徐々に注目を集めている。「Kids 1995」も含めて地元のヒーローでもあるThe Strokesを彷彿させる今どきには珍しいほどシンプルなインディーやガレージを鳴らすバンドで、個人的にはアイルランドのThe Academic以来の逸材だと思っているし、同郷のDolly Spartansとかと共にNYCのシーンを王道のギターロックで盛り上げていってほしいと心から願っている!

2. Blondshell (Los Angeles / USA)

LAを拠点に活動中のSSW、Sabrina Teitelbaumによるプロジェクト、Blondshell。たまたまデビューシングル「Olympus」で出会ったSSWなのだけど、その曲ではインディーフォーク、オルタナ、サイケなどをミックスした楽曲で心地良いギターサウンドが鳴っている反面、どこかアグレッシブで怒りを感じるような部分があり、Patti Smithや初期のSoccer Mommyとかをどこか彷彿させる要素があって、お気に入りのアーティストなった。気づいたらIdlesやFontaines D.C.をリリースしている〈Partisan Records〉と契約し、今度デビューアルバム『Blondshell』を4月にリリースする。そのインディーらしさは他の楽曲でも感じるのだけど、Blondshellは更にポップでドリーミーな一面も持っていて、Sharon Van Ettenからサマソニにも出演決定しているHolly Humberstoneのファンに届くであろう可能性しか感じないアーティストだ。

3. ena mori (Parañque / Philippines)

Philippinesと日本にルーツを持つena moriは独特な感性をエレポップ〜R&B等をミックスした癖になるポップミュージックに落とし込んでいるアーティストだ。昨年リリースされたアルバム『DON'T BLAME THE WILD ONE!』はワールドワイドに展開できるポップスでありつつも、US/UKとは全く違ったメロディーのリズムの構成などがとても面白くて癖になる。そういう意味では北欧とかのポップスとかに近い部分があるかもしれません。元々はジャズとファンク系統のバンドでキーボードを弾いていたらしく、そのせいかリズムもかなり拘っているのがわかるし、楽しさと中毒性を両立させるのが本当に上手い。

4. Heartworms (London / UK)

今回のイベントに出演してもらうHeartwormsはマジで今年のSXSWで一番楽しみにしていたアーティスト。HeartwormsはJojo Ormeによるソロプロジェクトで、デビュー曲「Consistent Dedication」を2020年にアップロードしていた時から本当に衝撃的だった。Drhalaのような鋭さにPJ Harveyの魂、そしてSonic Youthがかき鳴らすノイズを全て持ち合わせていたし、とにかく圧倒的なカリスマ性を感じたからだ。そのデビュー曲後からしばらく沈黙してたけど、Horsegirlとの対バンに抜擢されていて、その時のライブ映像だけでその衝撃度は確信に変わり、遂に今年本格始動。レーベルはSquidを輩出した〈Speedy Wunderground〉とサインしているし、今年は彼女の年と言いまくってたので、本当に一緒にできてうれしい。

5. THE HELLP (Los Angeles / USA)

僕の大好きな写真家/映像作家、Noah DillonとChandler Ransom LucyによるLAのデュオ、THE HELPP。僕は元々バンド以外の部分でNoahのことが好きだったし「HEIGHT」のMVも最高だから見てほしいんだけど、音楽性としてはオルタナ〜アートパンクを鳴らす2人組で、The Gardenとかにも近しい部分がある。けど彼らの場合はもう少し気怠くて、90sっぽい要素も濃いし、ニューウェーブの要素も強い。LAだけど、このライブ映像でもわかる通りNYCでの方がたぶん人気。とにかくやってる事は最初はわからないけど、そのカリスマ性についていったら気づいたらハマってしまっている。そんな中毒者を続出させていると思う。

6. Letting Up Despite Great Faults (Austin / USA)

4月21〜24日に一緒に僕と東名阪の来日ツアーを行う地元オースティンのインディーポップ / シューゲイズ / ドリームポップ・バンド、Letting Up Despite Great FaultsもオフィシャルアーティストとしてSXSWに参加する。彼らは過去にも来日経験があってデビューアルバム『Letting Up Despite Great Faults』が一番の人気だけど、昨年リリースされた8年ぶりのオリジナルアルバム『Ⅳ』がインディーポップ、シューゲイズ、ドリームポップ全ての良さを詰め込んだ大傑作でデビュー作に負けない仕上がりなので、絶対にチェックしてほしい!SXSWへ出演しているアーティストも来日するぜ!って事で4月の東名阪ツアーもぜひチェックしてほしい!宣伝ゴメン!でも最高なアーティストなのです!チケットも買えるよココから!

7. Mandy, Indiana (Manchester / UK)

今回のイベントに出演してくれるマンチェスターのポストパンク・バンド、Mandy, Indiana。今年の5月にデビューアルバムをリリース予定のバンドだ。この「Bottle Episode」という曲は2021年にリリースされたEPに収録されている楽曲なのだけど、間違いなく2022年のロック系統のDJパーティーで誰もがブチ上る定番の楽曲として色んな所で流れていたと思う。ドラムのストロークスからスタートするのだが、途中の最低限のサウンドメイク&ビートだけで構成するクラブ&ベースサウンドに寄ったポストパンク。ギターで生み出されたサイレンのようなノイズの凶暴性もたまらない。フレンチで書かれたリリックが作り出す民族音楽っぽさのある変態チックなヴォーカルも素晴らしい。

8. M(h)aol (Dublin / Ireland)

Fontaines D.C.の出身地でもあるポストパンク注目の地、ダブリンからの次なる刺客、M(h)aol。彼らはポストパンク / オルタナティブを鳴らす5人組で、ダブリンを拠点にしつつもメンバーはロンドンやブリストルにも住んでいるらしく、ある意味3拠点というのが正しいのかもしれない。先日『Attachment Styles』というデビューアルバムをリリースしたばかりのバンドなのだけど、個人的に彼らを知るキッカケにもなったデビューEPに収録されている「Gender Studies」という曲でも示している通り、Feminismを掲げている。主に女性として今まで音楽活動をしてきた事でぶつかってきたパーソナルな経験を基に制作された作品で、それと同時にCarrie BrownsteinKim Gordonといった女性アーティストの自伝を読んで感じたコトもリリックに混ぜ込んでいる。 ”Why don’t you study my gender?" と問い続ける「Gender Studies」を中心に「女性であることで無視され続ける。セックスを目的としたヤツ以外はね。」というメッセージをブツケた「No One Ever Talks To Us」など今大事なことを最先端で叫んでいる超クールなバンド。

9. Night Tapes (London / UK)

こちらも一緒にイベントをしてくれるバンド、Night Tapes。元々はサウスロンドンでハウスメイトとして暮らしていたMax Doohan、Sam Richards、Iiris Vesikのジャムセッションによってスタートしたプロジェクト。僕も大好きな「Humans」はMen I Trustを彷彿させるチルアウトなベースラインを軸にしたドリームポップ〜サイケなどが好きな人にはたまらないであろう宇宙の放浪しているかのような気分にさせられる楽曲。基本的にはBeach Houseとかを彷彿させるようなサウンドにベッドルームの質感を加えて鳴らしている。そして何よりもヴォーカルIiris Vesikの少し悪魔チックな声質が本当にスペシャルで、確実に一度聞いた人は忘れらないはずだし、キッカケさえあればすぐにでも有名になっておかしくないと思います。

10.Ojerime (London / UK)

サウスロンドンを拠点に活動中のR&Bシンガー、Ojerime。オルタナティブR&Bを中心にHIP-HOPからの影響も感じさせるアーティストで、アルバム/mixtapeを合わせてこれまでに4枚リリースしている。Kelalaのように水にとろけるような美しさがあると同時にリリックのリズム感も独特で癖になる。個人的には少しローファイジャジーなギターの入れ方が本当に最高だなと思っているアーティストで、如何にもそこがロンドンっぽいし、美しさの中にある闇も大事にしているので、心地良さを不穏さを同時に表現し様々な表情を1つの作品の中で感じることができるアーティストだ。

11. Plastic Picnic (Brooklyn / NYC)

僕がBrooklynに住んでいた時に出会ったドリームポップ・バンド、Plastic Picnic。僕はこのMV「Bite」も収録されているEP『Plastic Picnit』が大好きで、リリースされて時間は立ちますが今でもよく聞いている。例えばTurnoverやPostiljonenを彷彿させるドリーミーで雲の上にいるような浮遊感のあるドリームポップ北欧の空気感を匂わせてくれる極上のサマー・ポップスは耳から脳内までバカンス気分にさせてくれる癒やしソング集。って感じでね。ライブも何度も見てるけど、本当にドリームポップが好きな人にはたまらないバンド!

12. renforshort (Toronto / Canada)

トロントを拠点に活動中のソングライター、renforshortはインディー、エモ、ポップパンク、フォークなど楽曲に寄って全然違うタイプのポップソングを演奏する20歳のアーティスト。ハイパーポップ・シーンの中でも特に人気を集めるglaiveとのコラボ曲ではNirvanaとかからの影響も個人的には感じさせるエモ〜グランジポップを鳴らしていてモダンでありながらも様々な所から影響を感じさせるし、シンプルにポップスとして勝負している「fuck, i luv my friends」は個人的に2020年のSONG OF BEST 5にも選出したコロナ禍に救われた大好きな楽曲。

13. Revii (St.Paul / USA)

ミネソタはSt.Paulを拠点に活動中のラッパー、Revii。主にSoundcloudを主戦場にしているラッパーだけど、まずハイトーンな声質が一番魅力的。その中でシンプルに王道のHIP-HOP要素が強い楽曲から、インディー、ジャズ、ソウルなどからの影響を感じさせる様々なタイプな楽曲をアップロードしていて面白いし、この「CAN’T HELP MYSELF」という曲もエモラップ以降のサウンドの中にRoy Blair辺りのKevin Abstractの流れがしっかりと組み込まれているのが最高ですね。

14. Sadurn (Philadelphia / USA)

Genevieve DeGrootのソロプロジェクトとしてスタートし現在は4人組のインディーバンドとして活動しているPhillyの4人組、Sadurn。Elliott Smithからの影響を感じさせる切なさとグッドメロディーのハイブリット型のソングライティングがとにかく素晴らしい。Phillyの音楽には人が宿っていると僕はいつも感じるのだけど、Sadurnもまさに人が宿っているインディーサウンドを鳴らしている。楽曲の音数は少ないけどもだからこそヴォーカル、Genevieve DeGrootの素朴さとエモさを兼ね備えたスペシャルな歌声が響き渡ってくるし、WaxahatcheeKety Kirbyといったインディー、フォークにアメリカンな要素を感じさせるアーティストとも共鳴する。Big Thiefとかにも近いアーティストだと思うし、デビューアルバム『Radiator Sadurn』は個人的に昨年のベストアルバムにも選出しました。

15. Salarymen (Sydney / Australia)

昨年末に来日公演も行っていて、個人的に東京公演に〈to'morrow records〉として出店させてもらったシドニーのインディーポップ・バンド、Salarymen。サラリーマンという名前の通り、2人とも日本が好きでライブでは「ひこうき雲」を日本語でカヴァーしてたりもしたけど、シティーポップとかからも影響を受けているレトロポップなサウンドやサイケポップやサーフテイストのインディーサウンドなどもミックスしていてカリフォルニアが似合うような陽気なサウンドを作り上げている。男女ヴォーカルのバランスも素晴らしいし、たくさんいそうで彼らに似てるバンドってあんまり浮かんでこないオリジナリティーもある。

16. Sea Lemon (Seattle / USA)

シアトルを拠点に活動中のSSW、Natalie Lewによるプロジェクト、Sea Lemon。昨年デビューEP『Close Up』をリリースした新人SSWなのだけど、キラキラとしたベッドルームなインディーポップが好きな人にはたまらないであろう質感のサウンドを既に完成させていて、Hazel EnglishNo Vacation辺りのアーティストが好きな人ならまず間違いないはずだ。そのEPはCASTLEBEATが主催する〈Spirit Goth Records〉からリリースということもあり、その辺りの絶妙なローファイさとビーチ感のあるトロピカルな要素も付け加えられていて本当に太陽の下で聞きたくなるベッドルーム・インディーポップの典型的なヤツ!心地良くて最高です!

17. Shye (Singapore / Singapore)

シンガポールを拠点に活動中でイギリスと中国にもルーツを持つSSW、Shye。NME Asia Awards 2022のBest New Actを受賞したアーティストで、beabadoobee、Clairo、そしてHolly Humberstoneからの影響をポップスにミックスしたインディー要素のあるポップミュージックを鳴らすアーティストだ。サウンド的には結構ポップに寄ってる楽曲も多いんだけど、メロディーの作り方が絶妙にインディーなので、インディーポップ・ファンにも愛されるアジアのニューポップアイコンになってもおかしくないと個人的に思っている。今年は間違いなく色んなところで名前を聞くアーティストになるはず。

18. Sobs (Singapore / Singapore)

来日経験もあるシンガポールのインディーポップ・バンド、Sobs。2018年に『Telltale Signs』というデビューアルバムがリリースされた時は本当に衝撃で、アジア発のインディーポップの中でも飛び抜けて世界で勝負できる作品だったと思うし、ここからアジアンインディーの快進撃がスタートしたと言っても過言ではない作品だった。ヴォーカル、Celine Autumnのキュートでエモーショナルな歌声を武器にキャッチーさで真正面から勝負したインディーポップはAlvvays、Hazel English、Japanese Breakfast辺りの音楽が好きであればまず間違いないし、現在行っている初のUSツアーも軒並み好評でソールドアウト続出中とのこと!

19. Sword II (Atlanta / USA)

冒頭にも書いたけど、オフィシャルのショーケースには出演しないけどSXSWでライブしているアメリカのアーティストも数多くいて、ヤバい名前を見つけてしまった。アトランタのSword II。2020年にデビューEPをリリースして以降、結構ミステリアスな感じで活動をしている男女ヴォーカルを活かしたローファイ・シューゲイズ・インディー・オルタナ・バンド。とにかくこの質感があまりにも最高すぎる。Feeble Little Horseや今年のSXSWにも出演するwaveform*とかとも共鳴する。僕らが”正義”と呼んでいるローファイサウンド。こういった正しくローファイを鳴らしているバンドには簡単には出会いないのです。

20. Thala (Berlin / Germany)

2019年にオープンマイクから音楽キャリアをスタートさせ、既にThe Big MoonやJosephといったアーティストのオープニングを務めている注目アーティスト、Thala。2021年にリリースしたデビューアルバム『Adolescence』はドリームポップやエレポップなど程よくを感じさせる超心地良いサウンドに彼女流のレトロポップをつぎ込んだ素晴らしい作品に仕上がっていて本当に最高。この「weep」という曲も本当に最高で〈Polyvinyl〉系統のインディーポップ〜ドリームポップに少しノスタルジーで懐かしさを感じさせるムードを閉じ込めた楽曲に仕上がっている。他にもバラード調のレトロでほんのりサイケなMolly Burchを彷彿させる「serenade」って曲とかも最高です。

僕が運営している洋楽専門のオンラインレコードショップ〈to'morrow records〉もチェックしてみてください!

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途中にも書いたけど、4月の21日〜24日までテキサスはオースティンを拠点に活動中のドリームポップ・シューゲイズ・バンド、Letting up Despite Great Faultsと東名阪ツアーを回ります。大事なことなので2回!

対バンにはEASTOKLAB、softsurf、揺らぎ、Bertoia、17歳とベルリンの壁、BROTHER SUN SISTER MOONと日本のシューゲイズ / ドリームポップのオールスターを集めたようなツアーになってますので、ぜひチェックしてください!

チケットはコチラから販売しております!

よろしくお願いします!
対バンも含めてチェックしてみてください!

Letting up Despite Great Faults

EASTOKLAB(Nagoya)

softsurf(Nagoya)

揺らぎ(Osaka)

Bertoia(Tokyo DAY1)

17歳とベルリンの壁(Tokyo Day1)

BROTHER SUN SISTER MOON


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