映画カラオケ行こ!に出会って救われたオタクの話
2024年1月1日16時10分。
TSUTAYAで漫画を物色してたら突然突き上げるような衝撃と激しい横揺れに襲われた。
漫画がバッサバッサ落ちてきて立っていられない。
床に這いつくばって文字通り"必死"に耐えた。
しょっちゅう鳴り響く緊急地震速報と頻繁に起こる余震。
揺れてないのに揺れてるように感じてビビり倒しまくり。
報道を見る度に泣いて、被災せず過ごせてる罪悪感で泣いて、次第に好きなことをしたり推しを愛でたりする心の余裕もなくなり、すっかりメンタルも涙腺も弱々星人と化していた。
そんな中、1月15日、弱々星人は映画館へと向かった。
おいお前行けるのか?
余震が来たらどうするよ?
心の中のバイきんぐ小峠さんが叫んでる。
だがしかし去年からずっと楽しみにしてた大好きな漫画の映画化だ。
野木亜紀子さん×綾野剛さん=BIG LOVE案件。
やっぱりこれは観とかなあかんやつや。
でもこんな状況の中でのんびり映画を楽しんでもいいんやろか…?
まだ混乱は続いてる、現実も私の気持ちも。
悩む私と叫ぶ小峠氏の前にアントニオ猪木氏が立ちはだかる。
「迷わず行けよ、行けばわかるさ」
猪木ィ…
ボンバイエーーーッ!!!(猪木全面勝利)
かくして弱々星人は不安を抱えつつ若干緊張しながら映画鑑賞に出掛けた。
2時間後。
弱々星人はあふれ出る涙ととめどない興奮で例えようのない高揚感に包まれていた。
何やこのブワァーッと込み上げるものは。
その場で城本クリニックのCMのごとくゴロゴロ転がってのたうち回りたい。
元々原作と和山やま先生が大好きなので当然ストーリーは知っている。
なのになぜこんなにも私は泣いとるんや。
なぜラストであんなにヌォォォォーッ!!!と悶えた?
漫画で見て知ってるのにクソデカボイスで絶叫しそうになったのは何故だ。
そしてこの抑えきれないたぎる感情は何や?
これってつまり、愛……てコト!?
出会ってしまったよ最高の愛に。
私はこの映画から鮭の皮を与えられたのだ。
愛やで、愛。
いてもたってもいられず後日再び映画館へと急いだ。
観終えた瞬間に次はいつ来れるかなと予定を立てる。
また早く観たい、会いたいという欲求を抑えられない。
そう、もはやこれは恋。
星野源さんが踊ってはるで…(まばゆい目)。
オタクの使命感とコレクション魂で入場者特典も半券キャンペーンも都度ゲット。
公式さまの手厚いファンサには感謝しかない。
Twitter(まだXとは呼べない保守派)でカラオケ行こ!と検索して皆さまのつぶやきを見てニマニマしたり、公式さまからの供給にデレデレしたり。
気付けば地震の恐怖や不安感が薄らぎ、心が潤って笑顔が戻っていた。
毎日にハリが出て明らかに気持ちが楽になっている。
弱々星人は元気なオタクへと原点回帰した。
誰にも聞かれていないのにおもむろに映画のことを語り出す日々が始まった。
完全なるオタハラ。
すまん、どうしても語りたかったのだ。
この衝動を話さずにはいられなかったのだ。
オタハラに巻き込まれた家族が観たいと言ってくれて共に映画館へ馳せ参じた。
2時間後。
微笑んで黙りこくっている。
「何が起きてる…」
MIU404志摩一未になっちゃう私。
すると帰りの車に乗り込んだ瞬間、卒業式の日の和田くらい泣き出した。
「すごくよかった、あまりにも良すぎて言葉が出なかった、何で泣いとるのか分からんけど涙が止まらん」
矢ァ刺さってもぉたー!!!
嬉しさのあまり私は北村一輝組長のようにそっと目頭を押さえた。
それからはダブルピースでお見送り、キティの兄貴の口調で「お茶でええか?」、雨の日は「傘はぁ~?」などネタ満載でお届けしているわが家。
カラオケ行こ!のおかげで毎日が楽しい。
聡実くんがフリーザなら私は悟空だ。
オラワクワクすっぞ(CV野沢雅子)。
この映画に出会わなかったら私はまだメソメソしてたかもしれない。
もっと毎日落ち込んで過ごしてた気がする。
大袈裟でもなんでもなく私はこの映画を観たことで変われたのだ。
精神的にも、日々の生活も。
今でも報道に触れれば涙が出るし、1日たりとも震災のことを思わない日はない。
あの日の恐怖は一生忘れない。
被災して避難して来られた方と仕事で接することもある。
私の職場にも地震の跡が残ってる。
それでも私が弱々星人に戻らないのはカラオケ行こ!のおかげだ。
オタクってマジ強い。
没入できるものがあるってマジ幸せ。
誰に何を言われようとオタク マジ無双。
この作品を届けてくださったすべての皆さま、本当にありがとうございます!!!
皆さまのおかげで今の私がいます。
この映画は私の"げんきおまもり"です。
映画へのほとばしる愛、綾野剛沼にダイビングし始めている現状についてはまたあらためて書こうと思う。
じゃないとオタクは永遠に語り続けてしまうから。
オタク、ほっといたらずっとそのことばかり言っちゃうから。
気付いたらすっかり沼っててん。
映画にも、綾野剛さんにも。
おそろしい話や…。
ご拝読、感謝ですっ!!!
(ハイエナの兄貴風)