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王道だけどちゃんと聴いてなかったシリーズvol.11『ジ・アニマルズ(The Animals)』

「完璧な日々を過ごすために①」

第11回目は、ブリティッシュ・ビートの代表的存在である「アニマルズ」より、ファースト・アルバムの『ジ・アニマルズ(The Animals)』です。

先日ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』を観に行き、その作風に非常に感銘を受けました。

特に劇中で流れた『朝日のあたる家(The House Of The Rising Sun)』が印象的だったため、この曲を収録した本アルバムについて記事にすることにしました。

ちなみにこのファーストアルバムはUK、USなどの国ごとによって収録曲が異なり、本記事では日本発売バージョンについて取り上げています。

アニマルズは1963年イングランド北西部のニューカッスルで結成されました。ブルース色の強い作風を特徴とし、同時期に活躍したビートルズやストーンズ、キンクスなどと並び、ブリティッシュ・インベイションの代表格とみなされています。

その後は複数回の解散と再結成を繰り返しながらも、1994年にはそれまでの功績が認められ、ロックの殿堂入りを果たしました。

メンバーは、エリック・バートン(vocal)、アラン・プライス(keyboards)、ヒルトン・ヴァレンタイン(guitar)、チャス・チャンドラー(bass)、ジョン・スティール(drums)の5人体制です。

曲目は以下の通り、全16曲です。

1.『朝日のあたる家(The House Of The Rising Sun)』

2.『ストーリー・オブ・ボー・ディドリー(The Story Of Bo Diddley)』

3.『ベリー・マイ・ボディ(Bury My Body)』

4.『ディンブルズ(Dimples)』

5.『アイヴ・ビーン・アラウンド(I've Been Around)』

6.『アイム・イン・ラヴ・アゲイン(I'm In Love Again)』

7.『ガール・キャント・ヘルプ・イット(The Girl Can't Help It)』

8.『ブーン・ブーン(Boom Boom)』

9.『アイム・クライング(I'm Crying)』

10.『アイム・マッド・アゲイン(I'm Mad Again)』

11.『シー・セッド・イエ(She Said Yeah)』

12.『ベイビー・レット・ミー・テイク・ユー・ホーム(Baby Let Me Take You Home)』

13.『メンフィス(Memphis Tennessee)』

14.『アラウンド・アンド・アラウンド(Around And Around)』

15.『ライト・タイム(The Right Time)※ボーナス・トラック』

16.『ゴナ・センド・ユー・バック・トゥ・ウォーカー(Gonna Send You Back To Walker)※ボーナス・トラック』

アルバムは全体的に黒人音楽を英国白人風に解釈したカバーが主となっていますが、やはり特筆すべきは、冒頭でも述べた1曲目の『朝日のあたる家(The House Of The Rising Sun)』です。


哀愁のある冒頭のアルペジオとオルガン、そして張りのある声でシャウトするヴォーカルの「エリック・バートン」が印象的です。

この曲は元々アメリカ合衆国の伝統的なフォーク・ソングで、数多くのミュージシャンによってアレンジ・カバーされて来ました。

娼婦に身を落とした女性が半生を懺悔する歌ですが、アニマルズは歌詞を女性から男性に代えたことで、"The House Of The Rising Sun"は娼館ではなく、少年院もしくは刑務所であると解釈されています。

また、その特徴的なエレキギターのアルペジオのアレンジから、最初のフォーク・ロックと言われています。

映画『PERFECT DAYS』では、冒頭で主人公であるトイレ清掃員の「平山」が、夜明け前に缶コーヒーを飲みながら車で職場へ向かうシーンで流れます。

朝日が登る情景とエリック・バートンの力強いボーカルが共鳴し、まるで生命の躍動感を感じられる印象的なシーンとなっています。

いつか車でこの曲を聴きながら夜明けを迎えてみたいですね。

ちなみに他にも劇中で流れた中で印象に残った曲として、「ニーナ・シモン」の『フィーリング・グッド(Feeling Good)』、「ルー・リード」の『パーフェクト・デイ(Perfect Day)』などがあります。

これらの曲についてもいずれ取り上げたいと思います。

映画『PERFECT DAYS』第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされるなど、これからますます話題になっていくことが予想されるため、まだご覧になっていない方は、ぜひ劇場に足を運ばれることをおすすめします。

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