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人生を変えた名盤シリーズVol.13 『ホテル・カリフォルニア』

「人生を変えたホテル」

第13回目は、「イーグルス(Eagles)」から、1976年に発表した5作目の『ホテル・カリフォルニア(Hotel California)』です。

「イーグルス」は1971年にロサンゼルスを拠点としてデビューし、いわゆるカントリー・ロックを母体としたサウンドを特徴としたバンドです。

ハード・ファンク路線を推し進めた、前作の『呪われた夜(One of These Nights)』と『イーグルス・グレイテスト・ヒッツ 1971-1975(Their Greatest Hits 1971-1975)』のヒットにより、全米を代表するバンドとしての地位まで昇りつめました。

しかし、その後は次作への期待感からのプレッシャー、メンバー間の確執による脱退など、多くの苦境が待ち受けてました。

そのような中、シンガーソングライターである「J.D.サウザー」の協力などを経て、満を持して発表されたのが今作『ホテル・カリフォルニア』です。

メンバーは「グレン・フライ(Guitars、Keyboards、Vocals)」、「ドン・ヘンリー(Drums、Vocals)」、「ランディ・マイズナー(Bass、Vocals)」、「ドン・フェルダー(Guitars、Vocals)」、「ジョー・ウォルシュ(Guitars、Keyboards、Vocals)」の5人体制です。

曲目は以下の通り、全9曲です。

1.『Hotel California』

2.『New Kid In Town』

3.『Life In The Fast Lane』

4.『Wasted Time』

5.『Wasted Time(Reprise)』

6.『Victime Of Love』

7.『Pretty Maids All In A Row』

8.『Try And Love Again』

9.『The Last Resort』

いきなり冒頭アルバムタイトル曲『ホテル・カリフォルニア』の、ロック史に残る名曲から始まります。

ツインギターによる印象的なソロパート、暗喩に富んだ歌詞などは幅広い解釈がされ、今日まで数多くのアーティストにカバーされています。

歌詞の内容は、何気なくホテルに立ち寄った主人公が、そのホテルの快適さを気に入ってしばらく滞在していたが、自堕落な生活をする滞在客たちに嫌気がさし、ホテルを出ようとするが離れられなくなってしまった、というミステリー風の物語になっています。

レゲエ風の旋律がより一層、本曲の神秘感を演出しています。

続いて、シングルカットもされ全米1位を獲得した、2曲目の『New Kid In Town』では、それまでとは一転して海岸の朝のようなさわやかな曲調に変わります。

『ホテル・カリフォルニア』が生まれなければ、この曲が1曲目になっていたであろうことは間違いないと思います。

その後アルバムは、ファンク、ハードや、彼らの持ち味であるカントリーなど多彩な曲調を展開し、ラストの『The Last Resort』に繋がります。

この曲はビートルズの『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(The Long and Winding Road)』にも通じる、歴史に名を残すアルバムの最後にふさわしい、壮大なロック・バラードとなっています。

アルバム通しての総評は、他の曲も決してクオリティが低くないが、やはりタイトル曲である『ホテル・カリフォルニア』の印象が強いのが率直な感想です。

それだけ、この曲の持つエネルギー・神秘的な魅力は圧倒的で、歌詞の内容にもある通り、一度聴くとなかなか抜けられない不思議な力を秘めています。

ちなみにアルバムジャケットのホテルは、カリフォルニア州ロサンゼルス郡ビバリーヒルズ市にある高級ホテル「ビバリーヒルズ・ホテル」の写真で、このアルバムのヒット以降、観光名所となっているとのことです。

『ホテル・カリフォルニア』自分に取って居心地のいい場所に留まることは一時は良いかもしれないけれど、そんな場所など永遠には存在しなく、抜けられなくなる前にその場から早く飛び立とう、というメッセージが秘められていると私には思えました。

われわれももしかしたら、知らない内に『ホテル・カリフォルニア』の中にいるのかもしれません。

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