王道だけどちゃんと聴いてなかったシリーズvol.3 『Agents of fortune』
「そろそろ真剣に牡蠣と向き合う時なのかも」
第3回目は、「Blue Oyster Cult」より、5作目の『Agents of fortune』です。
先日観たとあるホラー映画の劇中挿入歌で、こちらのアルバムの曲が流れてきたため今回記事にしました。
「Blue Oyster Cult」(略称:BOC)は、1967年に結成した、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身のハードロックバンドで、メンバーが大卒者ばかりのインテリ集団です。
ハードロックバンドに関わらず、激しいシャウトや、長いギターソロなどがあまり見られない特徴があります。
また、ヘヴィメタルのルーツとなったバンドの一つで、現在も休止を挟みながら活動を続けています。
『Agents of fortune』は、彼らがハードロックバンドとしての力をつけていく中で、1976年に発表され、その地位を確固たるものにした代表作です。
このアルバムで語るべきは何と言っても、冒頭でも触れた、3曲目の『Don't fear the reaper(死神)』です。
印象的なギターのアルペジオで始まるこちらの曲は、全米12位のヒットを飛ばした彼らの代表曲です。囁くようなボーカルは終始一定のテンションですが、どこか耳に残ります。
歌詞の中に「一日に4万人もの男女がこの世を去る」との文面が出てきますが、曲全体に悲壮感は無く、限られた時間の中でも男女の愛は永遠であり、それは死をも超えるという風に解釈できます。
曲の途中に転換点として、激しいギターのソロパートが始まりますが、この部分はプログレに近いものがあり、男女の激しい愛を表現しているように思えます。
その後元の曲調に戻り、「死神を恐れるな」と再び囁く様は、正に男女の愛が永遠のものであり、その瞬間を不安がらずに互いに求め合うことを表現していると言えます。
「Blue Oyster Cult」ドラッグ・セックス・ロックンロールいったいかにもなハードロック・バンドとはひと味違い、彼らの独特な音楽は唯一無二の存在であり、今後もロック史に影響を与え続けていくことでしょう。
(ちなみに私は牡蠣が苦手なのですが、それはこのバンドの様なあまり聴いたことがない楽曲と同じように、ただ食わず嫌いなだけで、実際に食べてみると好きになるのかも知れませんね。)