原則中心に生きる
「人生の目標は?」と聞かれて将来自分のなりたい姿を語る人はたくさんいます。では、「人生の目的は?」と聞かれて何のために自分は生きているのかの根源的な理由を語れる人は少ないのではないでしょうか。こうした人生における原理・原則、つまり「人生の目的」を定め、「人生の行動規範」に則って暮らしている人は極めて少数だと思います。私もそういったものを持たず、ぼんやりと過ごして来ましたので。こうしたことを考えるようになったきっかけは、「7つの習慣」と「人を動かす」という本を読んでからです。
経験が浅いまま英国でマネージャーになった私にとってはこの2冊が最初の教科書でした。30代のある時期に1日1冊、年間365冊を目標にビジネス書を読み漁る事を数年間続けましたが、最初に買った10冊は「どの本を読むべきか」が書かれた本でした。その10冊の中で共通してお勧めされている本であれば間違いない、ということで選ばれたのがこちらの2冊になります。世界中の多くのエグゼクティブが影響を受けた本としてこの2冊を挙げていましたので、日本のみならず欧米においても有効性が確認されたProven Solutionとして読んだ本です。ちなみに、「どの本を読むべきか」の次に買った本は、「本をどのように読むべきか」について書かれた本を10冊買いました。尚、この10冊単位で本を買うというスタイルも、ある本に紹介されていたやり方で、特定のテーマについて常に10冊一気に買ってそれらを理解すればおおよその土地勘が身につく、という考えです。「本をどのように読むべきか」で買った本の中で印象に残る1冊挙げますと、「三色ボールペンで本を読む日本語」。今も私はこの方法を実践しています。大事なところに青の線、非常に大事なところに赤の線、自分自身がこれはおもしろいと感じたところに緑の線を引きながら本を読むスタイルです。こちらもお勧めです。
そこからどの本を読むかについては、最初に買った10冊の本の中で引用されていた本をすべて購入しました。良い本が参照している本は必ず良い本だからです。そうやって遡っていくと欧米系の本はマタイ伝あたりまで遡ります。そうした中で出会った本の中で今でも手元に置いてる本がジェームズ・アレンの「AS A MAN THINKETH」という本で、日本では「「原因」と「結果」の法則」として知られています。ほとんどの著名なビジネス系自己啓発本はここを源流に始まっていますので、極論ですが、これ1冊読んでおけば良いという本です。
さて、話しを本題に戻して、人生の目的についてですが、それを深く考える上で影響を受けたのが「7つの習慣」の第2の習慣の中にある「終わりを思い描くことから始める」です。
7つの習慣から若干アレンジして私が作った以下のイメージトレーニングを試してみてください。
お葬式に参列したあなたは、会場の前に進み、そこに飾ってある写真を見る。その写真にはあなたの写真が飾られている。これは、今日から3年後に執り行われるあなた自身の葬儀なのだ。
人々が集い、あなたが亡くなってしまったことを皆嘆き悲しんでいる。
式次第を見る。4人が弔事を述べることになっている。①家族 ②友人 ③職場の仲間 ④地域社会の知人
4人は、「あなたがどういう人だったか」という人柄と、「あなたがどういうことをしてくれたか」という貢献について述べる。
ここで考えて欲しい。集ってくれた人たちから、あなたの人生について、何と言って欲しいだろうか。あなたは皆に自分の人格のどういうところを見て欲しいのか。それぞれの顔を良く見てもらいたい。彼らの人生にあなたはどういう影響を及ぼしたかったのか。
まずここで重要なのは、今自分が死んだらこんな事を言われるだろうな、という内容を書くのではなく、将来自分が死んだ時にこんな事を言われたら「我が人生に悔いはなし」とあの世に笑顔で旅立てるだろうな、と思われる内容を記します。
次に人間はいろいろな関わりに時間を費やさなければなりません。現在の中心とお葬式のイメージトレーニングの結果を受けて、なりたい自分になるために、自分自身の関心の中心をどこに置くかについて考えます。
最後にそのなりたい自分の姿を考えて自分のミッション(=人生の目的)についてまとめて行きます。
2枚目の絵の円の中心に「原則」とあります。2枚目の質問は、若干ひっかけ問題になっていて、ほとんどの人がこれからは「家族」や「自己」を中心にしたいと何か一つ周辺の中から選ぶのですが、理想は「原則」を中心に生きることであり、あなたが3枚目にまとめた「私のミッション(使命)は、~」という文章そのものが、「原則」としてこの円の中心に入るのです。この「原則」に則って、あらゆる人生における「Go!」か「No Go!」かを判断するのです。小さいところでは、会社の忘年会に参加するかしないか、PTAの活動に参加するかしないか、自治会の役員を引き受けるか引き受けないか、社外のコミュニティに参加するかしないか…。人生は選択の連続であり、その選択に迷うことで悩みが増えるのです。悩まなくて済むように、原則を定めておけば人生が楽になるのです。
このトレーニングを通じて、自分の人生の目的を定め、行動規範を定めますが、人生の目的はライフステージによって変わるものです。子育て真っ盛りの人は何をおいても家族が中心に来るでしょう。子育てがひと段落したら中心がまた変わって来ると思います。
私は毎年1月1日の朝にこの人生の目的を見直すようにしています。ここ数年は同じ内容ですが、2019年版の私の人生の目的は以下の4つです。
私は人の役に立つ人間になります
私は世界をより良いものにします
私は周囲の人を幸せにします
私は日本でCIOを職業として確立させます
何か迷った時には、この原則に立ち返って行動するようにしています。
このnoteを書いているのも、私の人生の目的を果たすためです。
皆様にとって今日一日が、そして来たる2020年が素晴らしい年となりますことをお祈り申し上げます。
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