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嘘つきな自分

毒親だったり躾の厳しい親だったり険悪な雰囲気の親の元で育ったりすると、その親の期待された答えを言うように自分の言動をコントロールすることがある。

例えば、「大丈夫?」と言われて、全然大丈夫じゃないのに相手から「大丈夫です」という答えを期待されていると想像して「大丈夫です」と答えてしまうような、そういった言葉のすり替えが頻繁に起こる。

これは大人になっても治らないことが多く、自分で自分の首を絞めることになる。

例えば、上司に「仕事増やしても大丈夫?」と聞かれ、「(まだ不慣れだから増やしたくないけど、大丈夫って言わないと怒られそう/失望されそうだな)はい、大丈夫です」という、叱責や失望、見放されるといった恐怖から心にもないことを言ってしまう。

上司は親ではないし、叱責だってその場限りだろうし、失望されても見放されても、会社というのは人生の一部分であり、人生そのものではないのだから、堂々と無理なものは無理と言えたらいいのだ。

しかし幼少期から染みついた癖はなかなか抜けずに、親のように振る舞う人物に対して、正直な言葉を伝えられずにいる。

メールやチャットはまだ大丈夫なのだが、対面でとなると途端に自分に対して嘘つきになる。

苦しいのに苦しくないと言い、辛いのに辛くないと言い、嫌なのに嫌じゃないと言い、そうして自分の心を傷つける。恐怖でまた心にもないことを言ってしまった。

すべての事柄に対して正直になれとは言わない。たまには嘘も必要なのはわかっているから。

でも、自分を殺す嘘はなるべく言わないほうがいい。

お互いのためにも。

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トモノリ
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