八戸市美術館 [風のなかを飛ぶ種子 青森の教育版画]
「魔女の宅急便」に出てくる絵の元となった版画を見に行った。
1950から1970年頃、この辺りで子供たちに熱心に版画を教えた版画家さんたちがいたらしく、その頃の指導者の版画家の作品と子供たちの作品の展示ということだった。子供の作品とはいえとてもよく出来ていた。いや、子供であるからこその作品。あの時代の、この辺りの子供にしか作れない作品だった。見応えあった。行って良かった。
詳しいことは、美術館サイトへ。
撮影OKなんだけど、ガラス(アクリル?)だとさ、顔が映っちゃうから、大体写真はナナメ。あと、ナナメのほうが画像を勝手に使われにくいかな、などと思ったりもするので。敢えてのナナメ。
指導者の作品は、もちろん良いのだけど、子供達の作品もとても良かった。本当にちゃんと指導して、時間も手間もかけて、でも、当時のこの地域の子どもにしかできない作品であった。
これはねぇ、、、現場に居合わせた経験がないと絶対作れないやつだよー。船は乗ったことあるけどこの紙テープでお別れするやつは実際見たことない。親のアルバムの写真では見たことあるけどなー。これ、本物はサイズも大きくて臨場感がすごいある。
これもねー、なんかもう暮らしが見えるのよね。子供達がいつも見てるものなんだろうなあ。
自分が小さい頃、実家にあった木のカルタみたいなやつが鳥だらけでな。メジロとか、なんか、いろいろ。この頃の子供達は、鳥が身近だったのだろうね。形も動きも、本物をよく見ている人の作品よね。
海とか船を題材にした作品も沢山あって、この地域の生活なんだな。
他には、漁夫の死体を食べるタコ、とか、アンコウの口から人の骨が出る、みたいなホラーシリーズもあった。食べられる漁夫がこっちみてて怖かったので写真撮らなかった。楳図かずおの影響でも受けていたのだろうか。中学生の作品。指導者は「お、いいねぇ、人の骨」なんて言ってたのかな。自由で良いっすね。
ここに来るまでの間、radikoで「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」を聞いていた。内容は、絵画教室の先生が愚痴を言うというもの。子供に絵や工作を教えている先生は「子供の発想は否定しない」って言ってたな。いい先生だ。でも、子供が自分の顔や髪にも色々書きこむのも止めないから親にはよく思われていないらしい。いやいや、大人の顔色伺わずに思ったこと出来るなんて最高じゃん。
というわけで、「タコに食べられる漁夫」の版画、止められずに良かったね。ほんで何十年も経って皆に見られて「え?」って思われてるんだよ。素敵。
同じサイズの版画が6枚もあって迫力があった。やはり美術館では大きな作品が見たい。
これ、ぞれぞれの作品は1枚の板で作ったらしく、つぎはぎがなかった。これを作らせてもらえる環境っていうのが素晴らしい。こんな大きい板を準備するのも大変だろうし、彫刻刀使わせるのも危ないし、今だったら出来ないだろうな。これを作る環境が与えられるなんて、豊かだなー。
一時期よく学校でモザイクアート作ってたけど、皆で何かひとつ大きな作品を作ろうと思った時、小さい紙を集めて大きくするのが指導者としてはやりやすいんだろうなあ、先生のマニュアル本にあるんだろうなあ、なんて思いながら子供達の作品見てた。(嫌な親だな。)
だから、最初にでかい板を準備する指導者はやはりすごいなと思う。
これは、4枚の版画が合わさってる。一枚の大きさは、↑のやつと同じ。細かいところまで丁寧に作られてる。すげぇ。
この大きな作品群は、ファンタジーなのだな。今までの版画にあった暮らしとか生活とかではない。なんか、いろんな物語を読ませた?話した?みたいなことどこかに書いてあった気がする。生活密着の作品は、今見たらとても良いのだが、当時としては、ちょっとこれじゃあ子供達の世界が狭すぎじゃね?って、思ったんだろうね。思うよね。
いやでも、だからといってさ、急にね、こんな空想妄想力つくのかね。漁夫の死体を食べるタコ、のあたりからもうファンタジーだったのかな。タコは、人間を食べるのか?
ライブグッズを買うかのように、展示会に行くとなんか買いたくなる癖。ショップに鳩笛が売っていた。は、鳩笛? しかも550円ですよ。買うでしょ。かわいい。
昼飯は、美術館近くのお店にふらっと入ってみたのだが、とてもちゃんとした店だった。夜に来たらいい酒が飲めそう。
他にも蕎麦屋とかもあった。この辺り、平日のランチには困らなそう。
近くのおしゃれパン屋にもふらっと入った。入口に張り紙があった「紅玉のデニッシュ」が食べたかったのだが売り切れだったので、キッシュ(今だに正解がわからない)と胡椒がなんちゃらというパン。
美術館に駐車場はないので、近くのパーキングに止めなきゃならない。このあたりは、平日最大料金の設定がない駐車場が多いのかな。
車で高速使わずに行ったのだが、八戸までの道は楽しいね。石神の丘美術館から北が楽しい。紅葉も終わりかけてたけど、綺麗だった。
あと、自分用メモとして、おそらくこの辺りの食べ物は全体的に塩分強めかもしれない。土地柄、まぁそうだよね。どちらの店も丁寧につくられてて美味しかったのだが、自分にはちょっとしょっぱかった。自分の基準は一般基準とは違うみたい(この為に外食が苦手だったりする)なのであくまでも自分用メモ。祖母が、味の濃いものがあれば他の付け合わせに薄味のものがあれば良いといっていて確かにそれはそうなので、味が濃いものがあれば、たとえばサラダにドレッシングかけないで食べるとかでバランスをとったりしている。(白飯を沢山食えればよいのだが食えない。)でも、全部しょっぱいと逃げ場がなくて辛い。こういう土地で飯を頼む時は工夫すべきかもしれない。