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年末の締めくくりに
自身のご実家が営む会社に
ずっと勤めていた友人と久しぶりに会った時に、
「あたし、一からやり直すわ」と言って、
安定の生活を全て手放して、職業訓練を受けたあとに
福井の工場で服を縫う仕事をしていた。
2年ぶりに珍しく彼女から連絡があって
今どこに住んでるの?と聞いたら「名古屋」と。
福井の縫製工場から今度はさらに服の勉強をするためにいわゆるお直し専門店で勤め出したと言っていた。
4年前に会った時に、「やっぱり自分で何か作りたい」と
美大出身の彼女の創作意欲が沸々と湧き上がっていたが、やはり一から勉強し直さないと、
ということで30代も半ばから今もなお、学び続けている。
私自身、「どうなりたい」「こうしたい」というのは
はっきりいって長い人生の中で変わることはあるので
そこはあまり重要ではないと思っていて、
肝心なのは自分がこの先、「どう在りたい」のかというところだと思っている。
友人は実家の事業を手伝って安定の生活を営む道もあったのに
この「どう在りたい」かをとにかく考えまくっていたようで前に進もうと決めたそう。
やっぱり何かに突き進んでいる人間は
とにかく輝かしくて
お節介な私は応援したくなる。
「だけど、まだここに来てそんなに経ってないから、友達もいなくて寂しい」と滅多に弱音を吐かない彼女がポロッと言っていたので、
「じゃあ行くわ!いつ空いてる?」と言って
すぐに名古屋行きを決めた。
よくよく考えたら前後は普通に仕事だったので
宿泊は出来ず、先々月に弾丸北海道を経験していたのもあって
1時間半の名古屋なんてひとっ飛びだろ!と言って
年末最後の旅行に挑んだ。
待ち合わせ場所で待ってたら、視線を感じて、見ると
何か気持ちを含んだ真顔の友人が
こちらを目掛けて突き進んでくるのを見て、
思わずウルッとしてしまって抱きしめてしまった。
「久しぶり!ありがとう!」
私に出来ることは限りなく少ない。
今回は会いに行くことしか出来ないから友人の言葉を聞いたときに
行って良かった。といい年末の締めくくりになった。
友人といる時は大して写真も撮っていなかったので、
年末年始らしく熱田神宮で拝見した大楠の木を。