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金融マンの「本懐」 〜今度こそ、Wall Streetではなく、Main Streetで。〜
日銀の17年ぶり利上げ等を受け、本邦金融市場荒れ気味ですね•••。
まあ、相場とはそんなものですので、あまり一喜一憂しない(ような状態をできるだけ作っておく)方が得策でしょう•••。
そもそも「金融」とは?
そもそも「金融」とはなんなのでしょうか。
私は学者でもエコノミストでもありませんので、難しいことを語るつもりはありません。
何のことはない、
「お金を、融通すること」
以上です。
融通の仕方は色々あります。
ただ大まかに言えば、
誰にいくら融通するかを、自分で決める方法(直接金融という)
誰にいくら融通するかを、お金を預けて誰かに任せる方法(間接金融という)
の2通りです。
難しい話はありません。
「金融」と聞くと、多くの人は、銀行とか証券会社とかそういうのを思い浮かべるかもしれませんが、それはあくまでも、金融が時間をかけて進化し、今現在そのような形として成り立っている、ということに過ぎないのです。
ちなみに日本にも古くから、
「無尽」「講」
といった金融が存在しています。
澤上篤人さんのこんな記事も、今こそ多くの投資家が読むべきかもしれません。
余談ですが
「組合」
なんてのも、立派な金融の仕組みです。
農協や漁協といったものはもちろん、
先日リリースさせていただいたアニメ・ファンドも、「任意組合」や「匿名組合」といった仕組みを大いに活用しています。
「果たしてこのお金は、誰に融通されているのだろう」
さて、私は新卒入社後の11年、証券会社で働いていましたから、金融、しかも「直接金融」のど真ん中にいました。
先日書かせていただいたような、ダイナミックな相場や貴重な経験もたくさんしました。
ただずっと、心のどこかに引っかかっていたことがありました。
それは
「果たしてこのお金は、誰に融通されているのだろう」
ということでした。
上記の通り、直接金融とは本来、
「誰にいくら融通するかを、自分で決める」
という仕組みです。
しかし、私は11年間、その「誰か」の顔を思い浮かべられることも、それを自分で決めることも、残念ながら一度もありませんでした。
Main Street vs Wall Street
理由は単純です。
私の目の前を(私が売買を仲介することで)日々流れていった何百億円、何千億円といったお金は、証券の買い手から売り手に流れただけで、直接金融をしていたわけでは全くなかったからです。
私はそういう部隊にいました。
よく、実体経済 vs 金融経済、なんて言われ方をされます。
英語だと、Main Street vs Wall Street、でしょうか。
私はゴールドマンに勤めた11年間、実体経済ではなく金融経済の、Main StreetではなくWall Streetのど真ん中で、誰かから誰かに流れるお金をせっせと運び、その手間賃を頂いていました。
ずっと続けたいとは思えませんでした。
ただ、待遇はいいし、居心地もいいし、業務自体は割と楽しいので、意を決して自ら辞めない限り、ダラダラと続けてしまうだろうな、とは思っていました。
そして、
もし自分が新しい場所で金融をする機会を頂けるとしたら、今度こそ、お金を融通される「誰か」の顔をもっと思い浮かべながら、仕事をしてみたい。それを自分で決めて、ワクワクできるような、そんな仕組みを作りたい。
と、(漠然とですがずっと)思っていました。
金融マンの「本懐」
会社を立ち上げて2年、色々遠回りはしましたが、
やっとスタートラインに立ちつつある、と思える今日この頃です。
ドル円がどうとか、日経平均がどうとか、金利がどうとか、
そんなことに振らされず(マクロ的には振らされるでしょうがそれは置いておいて)、
今はただ、
自分達が作る仕組みで、
集まったお金によって、
誰が何を作り、
それがどう人々に届けられ、消費され、
誰かの心を動かし、
世界中のどんな人に認められ、愛されるのか・・・、
そんなことにワクワクしながら、日々過ごしています。
今度こそ、Wall Streetではなく、Main Streetで。
これこそ、「金融」に少しでも携わる人間の「本懐」だと、
私は思うのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。