ベラミー『哲学がわかるシティズンシップ』
主に第5章のまとめです
🌟全体を通しての筆者(ベラミー)の主張
ベラミーは、デモクラシーへの期待が高く、政治的シティズンシップの重要性を主張しています。
シティズンシップを考える上で大事な要素
🌟メンバーシップ
現代において、国民国家はメンバーシップの一つとされています。国民国家におけるメンバーシップは、その国家の民主主義の原則や価値観を共有し、それに基づいて緩やかに居住する条件を満たすことによって成立します。
ベラミーは、「メンバーシップ」を考慮せずに、シティズンシップを論じることはできないと考えています。
🌟諸権利をもつ権利
諸権利をもつ権利とは、人びとがさまざまな権利を持っていることを互いに確認し合う権利のことです。
メンバーシップを規定しまうと排除の危険性もあるという批判に対しては、「政治的行為を通じてなされる継続的な再定義の過程のもとにある(p.112)」とみなすことによって、「政治的過程が、権利を拡張し、深化させ、現代社会の生活の多様性と複雑性を包摂していく(pp.111-112)」ことが可能であるとしています。すなわち、権利をもってない人びと(排除されていた人びと)がいることのために、権利をもっている人びとが声を上げ指摘することで、権利をもってない人びとも参加し包摂していくとします。
🌟参加
シティズンシップにおいては、参加を通じて、他者との出会いの中でメンバーシップや諸権利への権利を行使し確認し合うことが求められるます。これは(サンデル型)共和主義の熟議デモクラシーの考え方と親和性が高いです。
一方で、ルソーの社会契約論(p.124)は、熟議を行うことで、自分の意見が他人に埋没することを避けるため、熟議を否定します。(熟議デモクラシーとルソーの社会契約論と対比することは興味深い論点になるよね❗️)
感想
「諸権利をもつ権利」という概念の理解が難しいよね〜。政治的行為を重視する点は動的な(ダイナミックな)政治参加を考えている点が、とっても共和主義的だな〜という感じでした。
どうやらベラミーはコミュニタリアンにも理解がある方らしく、その点も 諸権利をもつ権利の章の文章から読み取れますね。