発達小害者の裏側
2023年5月28日
自身のKindleデビュー作出版した。
実はこの書籍、はじめは「発達障害」がメインではなかった。
色々と試行錯誤しながらも、ようやく見つけた自分の道を伝えたい。
その想いだけで書き始めた。
私はハンドメイドをしている。
タティングレースという技法でレース糸を使って作る。
その認知度や驚くほど低く、ただ知ってほしい思いで書き始めたのだ。
途中、違和感が私を襲った。
「本当に伝えたいこと、これじゃないかも・・・」
でもその時はまだ自分の発達障害のことを公表できてなかった。
つまり、しっかりと受容できていなかった。
だから迷った。
ハンドメイドをメインにして書くか、発達障害をメインにして書くか。
書く方向性が決まらないと筆は進まない。
執筆が止まってしまった。
そんな中、夫との例の会話があったのだ。
「発達障害なんて障害ってつくから受容も進まないんだよね」
「え、障害ってついてないと、それこそ普通の人と同じことを求められてしんどいんじゃないの?」
「はっ(⊙o⊙)」
「俺はそこじゃないと思うけどなー。言い方は悪いかもしれないけど害はあるんだよ。実際お前だって困ってるし、俺だって悩んだ。害はあるんだよ。それが大きいか小さいかじゃないか。”障”の字を小さいにしたら良いじゃん」
その瞬間、私の中のもやもやが居なくなって、止まっていた筆が進んだ。
あの会話は実は書籍執筆真っ只中の話。
そうしてタイトルは「発達小害者」に決まった。
私が伝えたいのはこれだったのかと、止まっていた執筆が嘘のように進んでいった。
表紙はこうしたい、こんな風にしたい。
どんどん出てきた。
そうして、書籍出版まで内緒にしておこうと思っていた「発達障害」について、Twitterで公表した。
初めての出版で何もわからない私は、サポートはしゅーぞーさんにお願いしていた。
凄い人なのに、「僕より文章が上手な人でサポートしている人はいますよ」と謙遜された。
それに対し、私はすぐに熱い思いを伝えた。
「しゅーぞーさんじゃなきゃダメなんです」
私のインスピレーションが、この人じゃなきゃダメだと言っていたから。
サポートが始まる時には、私はこう宣言した。
「こだわりが強く、指摘していただいても私のこだわりが譲れなかったら、そのままお伝えさせていただきますので、よろしくお願いします」
メンドクサイ客だ(笑)
でもこの書籍に懸けていたから、妥協したくなかった。
表現での指摘があったときは、その表現に隠された理由を伝え、自分が納得できるまでやり取りを繰り返した。
(最終的にはしゅーぞーさんの提案になることが多かったが、自分の納得が大事だった)
ペーパーバック版も同時に作りたいという想いもあり、すべて任せるのではなく、自分で調べ設定し作り上げた。
印刷に関しては、白黒じゃないと利益でないと散々言われたが、そこだけはどうしてもカラーにしたい想いが消えなかった。
文字を小さくしたり、フォントを変えてみたり
しゅーぞーさんも「この子は白黒にする気がない」と思ったのか、
行間を調節する方法を教えていただいたり、印刷代が少なくなる方法を考えてくれた。
ここまでこだわった書籍。
お試し版が手元に届いたときは、感動した。
参考にと注文していたしゅーぞーさんのペーパーバック版と比較。
紙質も違うし、カラーで作品を魅せられることに興奮した。
表現していくうちに受容が進んでいったことで、自分の気持ちを文字にすることの大切さも知った。
書籍と同時に私の気持ちも動いていたということだ。
だからこそ、気持ちを文字に載せて伝えられたのかもしれない。
出版してまだ数日。
嬉しいレビューがたくさん届いている。
予想を上回る反響で、予約の段階でベストセラーを獲得した。
私は気づいていなかったのだが(笑)
たくさんの人に届いてほしいから、カテゴリー申請もベストセラーを狙えるところという基準より、届いてほしいカテゴリーを選んだ。
障害の受容はリハビリテーション医学において提唱されたものであるから、リハビリテーション医学のカテゴリーにはどうしても入れたかった。
何度もはじかれ、何度も申請した。
登録時のキーワードを変えてまでして申請がようやく通った。
ベストセラー&総合順位1107位は写真に納めたが、おそらくもう少し上にいたと思う。
カテゴリー1位も多分何個か見逃した。
でもそれより大事なことは、もっとたくさんの方に届くこと。
人の気持ちは変わることを知った私だからこそ思うこと。
今後自分の中で本書の内容と違う感情が沸いてくることも考えられる。
でも加筆せず、修正せず、このまま当時の気持ちとして残したいと私は思う。
今この記事を書きながら、医療・看護のカテゴリーにてベストセラーを獲得していました。
皆様のおかげです。
ありがとうございます。