毎週ショートショートnote〜濃い古墳

「偉大なる発見」


歴史学者のミナトは、喜んだ。

「これは、すごいことだ。
歴史的な快挙になるかもしれない」

長年の研究の末に、ついに大きな発見をした。

ミナトは、ある場所で、発掘作業を行っていたのだが、
掘っていく内に、そこに古墳があることがわかった。

測量した結果、長さが30mほどだが、
前方後円墳だと判明する。

いても立ってもいられない。

そして、発掘を続けて、深さ3mほどのところに棺を発見した。

作業仲間は、目を丸くした。

「早速、開けてみましょう。
大きさ的にバールで十分開けられますよ」

作業仲間は、要領良く棺を開けた。

中からは、少量の骨、装飾品が見つかった。

装飾品には、輪のようになったもの、
棒状のもの、銅で作られたアクセサリーのようなものが見つかった。

ミナトは、もう一つ、文字が書かれた木簡を見つける。

読んでみた。

<大和昂る之尊之州照照呼天照大神清めたまひて此処に眠る>

ミナトは、文字を読んで見た。

「やまとたかるのみことのすててこアマテラスオオミカミ
きよめたまひてここにねむる・・か。
きっと、崇高な人の魂が眠っているのだろう」

ミナトは、目を輝かせて、歴史のロマンを想像した。

早速、骨を調べてみることにした。

数日後に、検査の結果がわかった。

ミナトは、結果表を見て、苦笑いをした。

そこには、人間ではなく、犬の骨であることが証明されていた。

古来より、人間と犬は、切っても切り離せない縁だったのだ。

それも、面白い発見だなとミナトは、思った。