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1997年に始まるアジア通貨危機の発端(エマージングマーケットに投資する前に過去からリスクを学ぶ)

1997年に始まったアジア通貨危機(アジア金融危機)の発端は、タイの通貨バーツの急激な下落にあります。この危機の主な要因は以下の通りです。


固定相場制の維持困難(タイ・バーツの防衛失敗)

  • 当時、タイはバーツを米ドルにペッグ(固定相場制)していましたが、1990年代初頭からの急激な経済成長により、国内の過剰な投機や不動産バブルが発生しました。

  • 経常赤字が拡大し、外貨準備が減少する中、投機筋(ヘッジファンドなど)がバーツの切り下げを見越して売り浴びせ、タイ中央銀行は防衛のためにドル売り・バーツ買いの市場介入を試みましたが、持ちこたえることができず、1997年7月2日にバーツの変動相場制への移行を余儀なくされ、大幅に通貨価値が下落しました。

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