![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150839667/rectangle_large_type_2_c9bf8ea2190eb1701c34e3549223034b.png?width=1200)
memento mori
こうしてあの世へ来てみると、
そこには僕の親父がいて、
むくれた顔をして立っているのだ。
何をそんなにムッとしてるのだと聞くと、
お盆になっても家からの、
お盆を過ぎても家からの
ご馳走がなかったとスネているのだ。
お盆が終わります。
生物の死はいつなのか、
昔から考えている。
生物学的な話は抜きにして、
僕にとっての死は、
僕がその人の存在を知らなくなった時、
その人の死は、
こっち側の人たちが誰もその人を、
知らなくなった時。
そんなこと考えているのか、
僕には分からないが、
この前、おとんが、
お前や孫たちの記憶にもっと残りたいと、
言い始めた。
普段、酒とタバコばかりの父親も、
もっと生きたいんだなぁと思うと、
妙に感心して、
笑ってしまった。
あちらに行く時に、
記憶だけでも手土産に渡せるように、
あとは、何ができるかな。