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アルバムを開いたら|いのちのつながりを感じずにはいられなかった

実家に帰ったらひな人形が飾ってあった。
そして机には分厚くて重いアルバム。

母曰く、人形の飾り方がわからなかったので
昔のアルバムを引っ張り出してきて参考にしたとのこと。


アルバムは姉のもの。

3人きょうだいの一番上である姉のアルバムは
3冊以上ある中、末っ子のわたしは1冊。
下の子ほど写真が少なくなるとはこのことか。


5つ年上の姉のアルバムを開く。

生まれたばかりの写真。
生まれて少し月日が経って父と一緒に寝ている写真。
首が座ってうつ伏せの写真。
カメラを見てにっこり笑っている写真。
母と父、そして祖父母と一緒に近所の神社にお宮参りに行った写真。
母方の祖父母や親戚に会いに行った写真。
おじいちゃんといっしょにお風呂に入っている写真。
ひな人形の前で父と母と姉の3人で写った写真。
近所のれんげ畑でベビーカーに乗って写っている写真。
旅先で家族みんなが撮った写真。


兄がお腹の中にいるときの母の大きなお腹。
どの写真もキレイで美人な母の笑顔。

今より若くてふっくらしている父のうれしそうな顔。

わたしが高校生の時に事故で亡くなってしまった父方のおじいちゃんのいかつい顔。

認知症で息子である父のことしか分からなくなってしまった父方のおばあちゃんの小綺麗な格好。

わたしの記憶にはない母方のおじいちゃんとおばあちゃんの優しそうな顔。


……


たくさんの思い出がそこにはあって
たくさんの人たちの笑顔であふれていた。


みんなが赤ちゃんを見て

「かわいいねぇ」

と言っている声が聞こえるようだった。


時を経て、
今のわたしも赤ちゃんだった姉の姿を見て

「かわいい〜〜」

と何度も口に出しながらページをめくった。

自分の赤ちゃん(娘)に似ている
赤ちゃん(姉)を見て驚いたりもした。



母の母、わたしのおばあちゃんにあたる方は
わたしが生まれて半年後に亡くなってしまった。

母はわたしと会わせてあげられなかったことを
後悔していると言っていた。

そんなおばあちゃんの姿を写真の中に見た。

ああ たしかに生きていた方なんだなぁと
不思議な気持ちになった。


おばあちゃんが母を産んでくれて、
母がわたしを産んでくれた。
わたしが産んだ娘は
もうすぐ半年になろうとしている。



母も、母が産んでくれた姉も
わたしの娘をとにかく可愛がってくれる。

里帰り中は
夜中もいっしょに起きて
ミルクをあげたり
オムツを替えたり
なかなか寝ない娘を朝まであやしてくれたりした。

いっしょに娘を育ててくれたし、
生後一週間経ったころ、
緊急手術・入院となってしまい帰れなくなった私の代わりに娘のお世話をしてくれた。

産後、体がつらいわたしに代わって
たくさん抱っこしてくれた。
新米ママであるわたしをたくさん助けてくれた。 


そんな娘はすくすく育ち
今も腕の中で口をぽっかり開けたまま
しあわせそうにスヤスヤ眠っている。




アルバムには
今も生きている家族の姿も
もうこの世にはいない家族の姿もあったけど
いのちのつながりを感じずにはいられなかった。


自分のことも
家族のことも
娘のことも
より深く大事に大切につながっていきたいな。
小さな思い出をひとつずつ重ねていきたいな。

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