あの日を忘れないで
2月13日、夜11時過ぎにスマホの緊急地震速報のアラームが鳴り響きました。寝床に入り、ちょうどウトウトしていた時間。飛び起きたところに横揺れが。だんだん大きくなってきて、東日本大震災の時を思い出しました。東京の震度は4。揺れは長かったし、体感震度はもっと大きく感じました。震源地は福島県沖。マグニチュード7.3、最大震度は宮城と福島で6強でした。
マグニチュードの規模は阪神淡路大震災クラス。揺れの周期が短かったことと、震源が深かったことで、大きな建物への被害は少なく、墓石やブロック塀などの小さな建造物が崩れる被害が目立ちました。陸側と海側のプレートの境目ではなく、プレートの内部で起こった地震だったことで心配された津波も起こりませんでした。ケガをされた方もいましたし、停電や断水もあり、高速道路や新幹線も不通になりましたが、小さな被害で済んだことでホッとしました。
今回の地震では、東日本大震災の教訓を生かそうと行動した人も多くいました。近所の人に高台へ行こうかと声をかけた人や、すぐに車に乗り込みエンジンをかけて車中のラジオで地震情報を収集した人。大きな揺れを感じたら、まず津波を考える。あの日多くのものを失った私たちが得た大きな教訓です。
そして、あの時と異なるのは新型コロナウィルスへの対策です。福島県相馬市に開設された避難所には室内用の簡易テントが設置され、一家族が一つのテントで過ごせるよう密を避けた形がとられました。また、発熱症状のある人が過ごす別室も用意されました。テントはプライバシーも保たれると好評だったようです。今回は被害も小さく避難する人も少なかったですが、多くの人が避難する状況になった時にどのように密集を避けるのか、長期間避難することになり体調不良を訴える人が増えた時、コロナ患者とその他の症状の患者とをどう隔離するのかなど新たな課題も出てきます。私も避難グッズの中にマスクや消毒液などの感染対策用品がなかったので揃えなければと思っています。
この地震も10年前の東北地方太平洋沖地震の余震とみられています。十年一昔と、よく言われますが地球の営みからみれば十年という歳月は一時間くらいのものかもしれません。被害が少なくて済んだ今回の地震は「あの時のことを忘れてはいけないよ」とあの日に星となった人たちが教えてくれた気がします。