東証一部なくなります
東証には現在「一部」「二部」「マザーズ」「ジャスダック」の区分があります。これが来年4月から「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つとなります。その狙いは海外の市場と比べると取り引き量が伸び悩んでいる市場を活性化させ、世界に向けて東京市場の存在を高めるところにあります。
さて、現在東証一部に上場している企業が全てプライム市場へ移れるのかというと、そうでもないようです。プライム市場への上場基準は現在の一部よりも厳しくなっているからです。
例えば、発行済み株式のうち市場に流通する割合が35%以上あることや時価総額が100億円以上あることなどです。すると親会社が多数の株を持っていて上場している子会社や株式の持ち合いが多い会社、創業者が多くの株を保有している会社はプライムの基準を満たさなくなると思われます。市場としては世界で競争することができる選ばれた会社をプライム市場へ上場させたいと考えているからです。
これまで「東証一部上場」という肩書きは営業や採用活動の際のイメージアップに繋がる1つの指標とされてきました。先日、東証が発表した判定結果では現在一部上場している企業の3割がプライム市場の基準を満たしていないとした一方でマクドナルドやメルカリなど現在マザーズやジャスダックへ上場している企業でプライム基準への適合が確認されたところもあり、これらが再編後どの市場への上場を目指すのか注目されています。
東証の今回の再編がこれまでの企業ブランドを一変させることになるかもしれません。