のっけからパープル(セリちゃんの独り言)
※29歳OLが・・・の別エピソード。
朝が来た。
初夏の朝はすぐ空が明るくなる。
だから目が覚めちゃう、でも目覚めは最悪。
原因はPMSだ。
「あーー…」
意味不明な声を出して、ノソノソベッドから這い出る。
のっけからパープル。
目の前が紫。
貧血だ。たぶん。
床に転がっているグリーンスムージーを飲む。昨日開けて半分飲んだやつだ。酔ってたから、適当にそのへんに置いてたのだ。
自炊はたまにするものの、下手くそだからたまにしかしない。するたびにへこむ。
だから、サプリやビタミン、グリーンスムージーが結構助けになる。
そのまま床に寝たまま、スマホを確認。
彼氏からのLINEは無いし、着信もない。
多分また別の女のところだ。
そろそろ別れどきかな。
でも、そうなると引っ越さないといけないし、メンドくさい。引っ越し、手続き、新しい家電、などなど。
凄くメンドくさい。
30歳を過ぎて、アクティブさやパワーがダウンしてしまっていた。
ダメだなあと思っていた時。
特に改善策もなく、新しいモチベーション的なものもイマイチで。
そんな時、職場にゆずはちゃんが入ってきた。
若さと可愛さに眩暈がしそうになる。
でも、同時に凄く元気を貰った。
そしてすぐに雛菜ちゃんが入ってきた。
雛菜ちゃんも凄く可愛い。
そしてピュアなところがあった。
うーん、男だったら口説いてたかも。
そんなアホな事を考えたりしてしまった。
二人とも元気で、そしてなによりも仕事に対してのモチベーションが高かった。
ハッとさせられる。
自分の接客を見直すきっかけになった。
華ちゃんは華ちゃんで尊敬してるし、大好きなんだけどたまに完璧すぎて何も言えなくなってしまう。
でもお店を引っ張っていってくれる大事な存在。
私は二十歳の時、ホステスになった。
酒キチな私はただでお酒が飲めて、お金もいっぱい稼げて、お店のキレイなドレス着放題で有頂天だった。
兎に角、お酒が大好きだった。
「いい飲みっぷりだね」
と言われて嬉しかった。
21。
ひたすら頑張ってお金を稼ぐ。
結構貯めた。
何故かマルチにハマりかける。
周りが止めてくれて、やめた。(良かった)
22。
お店を変わったりもしつつ、ゲイバーやミ
ックスバーに遊びに行って、話術を学んだ。すごく為になった。
このお店には今でも時々通っている。
23。
急に指名が減った。ガクッと減った。
親友だと思ってた子が大事な大事な太客を寝取ってた。
ロッカールームで殴り合いになる。
¥4000以上かけたヘアメがぐっちゃぐちゃになったのを覚えてる。
そのまんま、店を辞めて病んでニートになる。ソシャゲに鬼課金する。
24。お金が無くなって、泣く泣く仕事復帰。
なんか違うなと思って、辞める。
そこで出会ったのがコンカフェだった。
というか、知り合いの子に頼まれたのだった。
「人が足りないんだ。週一とか、ニでもいいから働いてくれないかな?」
と言われて、うーん。まあ週一ならいいかな、くらいのノリで勤め出す。
結構、悪くなかった。
お給料は全然違う。けど、お酒で肝臓をやられる事もないし、同伴の時にラブホに連れ込まれそうになる事もない。
アフターも無い。
アニメはちょこちょこは見るものの、詳しくはないから、一所懸命勉強した。
お客さんに「そのアニメ知らないんですよ。どんなところがオススメなんですか?」と恥を忍んで素直に聞いた。
お客さんはえっ知らないの?!というリアクションを取ってくる。
でも色々丁寧に教えてくれる。好きなものを語る人はきらんきらんしてる。
曲、作品の監督、そして演出。
だんだん繋がってくる。
この作品のサントラ手掛けてる人は、有名な人で映画やドラマのサントラも手掛けてる。
この作品の監督はあの有名な映画監督のもとで働いていた。だから、ちょっとニュアンスが似てる部分もある。
わかってくるとなんか面白い!
楽しい。
コンカフェのお客さんは「推し」の子に熱心だ。
マメに来てくれる。
結構プレゼントをくれたりもする。
でも、31歳のイマ。
ホントに思う。自分に言いたい。
自己承認欲求に振り回されるな!
自分がホントにやりたい事を見つけろ。
コンカフェで働いていたら、可愛いねって言われる事も多い。
楽しいことも多い。
けど、うまくやらないと自分を見失う。
それは、水商売でもコンカフェできっと一緒だ。
出てくるドリンクや値段帯、システムは違うけれども。
なんか泣けてくる。
###
ダラダラして、洗濯機だけ回してたらだいぶ気分も上がってきた。
PMSはホントヤバくて、ずっと涙が止まらなかったり、死にたいと思ったときもある。
PMS外来行こうかな。
でも、あれって効果あるのかな。
梅雨はいつ明けるんだ?
てか、もう明けたの?
まぁいいや。
明日も出勤だから、雛菜ちゃんたちに会える。