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日本国よありがとう。夫の突然の帰還
約2年ぶりに、夫に会いました。
いやー、驚いた。
最近は、全ての書類や検査、ワクチンなどがクリアであれば、自宅待機2週間でOK。自家用車を使ってなら、成田から愛媛へ移動して、そこで自宅待機すればOKなんだそうです。
自宅待機用のアプリをダウンロードし、日中、オンラインで身体検査されています。
夫のことはもう、半分諦めていて(どうにもならない状況でチャットで喧嘩し続け、ものすごい消化不良で早死にしそうだったから)
会えるときに、会いましょう。
この2年、なんとなく、そんなふうに話していました。お互い、多分そんな感じで、そのうち、連絡は週1になり、2週間に1回になり、「生きてんの?」になり、「生きてるならいいや」になり、、
で、それが続くとどうなるかというと、突然、チャットではなく電話がなる(笑)。そして、「着いたよ」と。
東京に暮らす義妹夫婦の、ほぼ使ってない車を借りて、8時間ぶっ飛ばして帰ってきたのでした。
まあ、そういう夫婦です。
この2年、あまり話をしていないし、共有できることもほとんどないのですが(これからすることにして)、
帰国早々見せてくれたのがこの紙なのでした。
「4月に帰国し損なったのは、日本国のせいだ!日本国を訴える!(プンプン)」
とわざとらしく自慢してきます。
「相手は、個人じゃないよ! 国だよ!」
なんか嬉しそうです。
夫にしてみたら、すごく新鮮だったのかもしれません。
日本ではよくみる書類の翻訳だと思うのです。4月、夫は上陸を試みました。しかし、1年間の居住実績がないことから、永住権が失効してしまっており入国ができず中国へトンボ帰り(婚姻の証明もできなかった落ち度も重なってますが)。
日本に居住できなかったのは、コロナのおかげで飛行機が飛ばなかったからなのですが、その辺りの酌量はあのときにはまだ全然なく、冷徹な水際対策に従うしかない。
夫のような庶民は黙って引き返した挙句、永住権が消滅してしまいました。オリンピック前だしね。
そんでもって今回、日本大使館で入念に準備をし(夫が)、やっとたどり着いた成田の入国管理局でなんと言われたのかというと、「すみませんでした」ということだったそうです。
永住権の取り消しは本来必要ない対応だった、と(あくまでも夫の解釈です)。行政上の対応不足でもあるので、今回のことで日本国を相手に訴訟することができます、あなたにはその権利があります、という書類をもらってきたという流れです。
単なる書類上のことかもしれませんが、私も夫も、この紙を見ていたら、まあ特に何の用もない紙ですが、日本国に対するじわっと感謝の気持ちが溢れました。訴えるとか言うときながら。日本て、やさしいよなあって。
中国語で読んだから、と言うのもあるでしょう。おそらく日本語で同じ書類をもらっていたら、DM扱いだったと思うのですが、同じ内容を中国語で知らされると、全く違う意味を持って迫ってきました。
意味の重たさあたりに、ものすごく差を感じたというか。中国で「国を相手に訴訟」なんて考えにくいからでしょうか。だから夫も嬉しそうに「相手は国だよ♪」とはしゃいでいるのかもしれません。
まあ、「会えるときに、会いましょう」が突然やってきて、6年ぶりの3人暮らし。思春期を迎えた娘はよそよそしい態度ですし、以前のようには行かないのかもしれません。訴えることよりも、これからの3人暮らしの方が心配です。
このタイミングで『後ハッピー・マニア』にハマっている自分を落ち着かせながら、しばらく夫ともどもこちらでお世話になります。よろしくお願いします。
中国での3人暮らしが最新で最後、もはや6年前の出来事。その時の衝撃は著書にまとめました。よかったらぜひ。