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ヒマラヤを感じてみる

感動を自分にしまい込んだままだったので、発信したいと思いながら、思いを言葉や文章にするのに苦手意識があって、ずっと後回しにしてきた。
完璧を求めず下手くそながらよいしょと書いてみることにした。

キールタンももちろん素晴らしかったんだけど、今回は新鮮だったヒマラヤのお話会の様子について記録する。

7月に参加した、堀田義樹さんとMutsumiUmiさんの『Kirtanとヒマラヤ山岳遊牧民の村からの夕べ』について。

ムツミさんはヒマラヤの山岳遊牧民と共にくらす唯一の日本人。
羊飼いの家族と一緒に生活を共にしながら、昔ながらの道具と技法でヒマラヤの自然の恵みと循環の中で丁寧に作られる衣を販売している。

この会は、そのヒマラヤの暮らし、ヒマラヤを感じてもらおう。というお話とキールタンをみんなで歌うwsだった。

ムツミさんはとても自然体でチャーミングな方で、ハートの中心から暖かい声をゆったりと紡いで話しているように感じた。

集まってくれた皆さんに、わたしがヒマラヤの生活について色々語ることはできるけど、言葉だけでは伝わらない、ヒマラヤってこんな感じ。
というのを伝えたい、と、ヒマラヤの映像や、音、ハーブを持ってきてくれていた。

まずはみんなで静かな時間を作って、いったことのない、ヒマラヤの情景を思い描いてみましょうということだった。

どんな音が聞こえるだろう?どんな空気感?何が目の前に広がってる?どんな植物が育っている?

現代人は、イメージすることが乏しくなってると思うからと。

それぞれがヒマラヤについてイメージし、思いを馳せた。

そして、ヒマラヤの大地で夏至に生命力を増して育った、ハーブを一人一人に手渡してくれた。

ほんの1、2枚のそのハーブは、手のひらの上ですりつぶすと、とても力強く香り高かった。

それをグラスに移し、お湯を注いで、手のひらで蓋をし、少し蒸らしてまた目をつぶって香りを嗅ぐ。

こんなに香りに集中したことってあっただろうか?と思うくらい、わたしはずーっと香りを嗅いでいた。他の参加者の方たちも。

とっても豊かで幸せな静かな時間だった。

静けさを味わう度に、ムツミさんは、ヒマラヤってこんな感じ。と話してくれた。

ヒマラヤにいると、頭の中が静かなんだそう。そして五感が研ぎ澄まされているそうだ。

他にも目を閉じて羊の群れの鳴き声を聞いて、想像力を働かせたり、静かに力強く登る朝日の映像を見せてもらったり。

ヒマラヤで耳を澄ませると、ずーーっと遠くの音まで聞こえるそう。
本当は人間はみんな、かなり遠くの音まで聞き分けることができるのだけど、現代の暮らしのままその聴覚を使ってしまうと、情報量が多すぎてしまうので、自分の身を守る為に、その機能を閉ざしている。とのことだった。

嗅覚、聴覚、視覚、触覚、味覚でヒマラヤを感じた時間だった。

五感に集中していると、今その瞬間を感じているだけになる。今ここにいる状態になる。

特に話をするわけでもなく、聞くわけでもなく、ただその場で一人一人が今を味わっている空間。心地いいねってお互いに共感している空間。

それがなんだか、安心できる心地の良い場だった。

ヒマラヤの人たちは、日々、こんな感覚で生きているのかな?豊かだなぁとヒマラヤに思いを馳せた。

忙しく、物や情報に溢れた私たちの暮らしの中では、感じることが難しいかもしれないけど、日常の少しの時間だけでも、ゆっくり散歩をしたり、ぼーっと自然を眺めたり、遠くの音に耳を澄ませてみたり、とことん香りに集中する時間を作って、この感覚を思い出すようにしよう。

そんな風に思わせてくれた、非日常を感じる。豊かな暖かな時間だった。
非日常と感じたけど、ヒマラヤの人たちにはきっとこれが日常なわけで、これが日常なあり方って素敵だなぁ。本来の人としてのあり方ってこうなのかな?なんて思った。



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