対面とオンラインの比較はもうやめましょうというお話
コロナウイルスが騒ぎになって早半年、なかなか先の見えない感じになってきていますね…。私はbeforeコロナからずっとリモートワークで人と直接触れ合わない毎日だったので、正直普段の生活に大した変化がなく。強いていうなら東京への出張がなくなったのと、趣味の海外旅行に行けなくなって悲しいことくらいでしょうか。。。
デジタル改革が10年早まったなんて言われていますが、社内でリモートワークや様々な働き方の導入を急ぎ検討しなくてはならない企業も多く、おかげさまでご相談をいただくことが多いです。これまでは常駐前提のためお断りする案件も多かったようなトラディショナルな業界でも、自分たちの試験も兼ねてリモートで良いという風に条件が緩和され、zoomやslackを使ってお仕事させていただく会社も出てきました。(ありがたい)
対面とオンラインの比較
「直接合わないと温度感や空気感が感じにくい・伝わりにくい」
「普段の連絡ならオンラインでもいいけどここぞという時は対面でしょ」
「オンラインだとどうしても雰囲気が悪くなって距離が遠くなる気がする」
この辺りはよく耳にする話です。確かに画面を通すと嗅覚は確実に遮断されるし、細かい表情や雰囲気は確認しづらくなります。また、オンラインだと会議の時間でのみ会話をしますが、職場など空間を共にしていれば前後の状況が分かるので今日は忙しくて疲れているなとか、上司から褒められていたから嬉しそうにしているなということを踏まえた上で会話ができます。そうした前後の文脈がわからないので、画面で切り取った表情・声色と、発言内容そのものにフォーカスが当たってしまうんですね。
結局対面と比較してしまうと、過去の成功体験・効力感があるが故に、どうしても比較して「やっぱオンラインダメだー」「難しいー」「ストレス溜まるー」となってしまいます。対面と比べて「何が」違うのか、というWHATに視点が行きがちだなと感じています。とはいえ前提条件やルールが違うんだから、今までと同じことやろうと思うとうまくいかなくて当たり前ですよね。
オンラインコミュケーション間の比較
そこでもう、対面面談と比較することはやめてしまった方が気持ち的に楽じゃないですか?というのが提案したいことなのです。何が違うのか、何を変えたらいいのか?というWHATの発想から、どうやったらオンラインコミュケーションがいい感じになるかというHOWの発想への転換です。
オンラインを所与の条件として、一般にオンラインコミュニケーションと呼ばれているものの中での比較をして、ヒントを得られるのではないかということです。職場から離れて、プライベートまで思考を広げた時に、オンラインなのにコミュニケーションがうまくいってる場がありませんか?そこから真似できることってありそうじゃないですか?という話です。
世界が拡張し、思想や趣味で繋がるコミュニティをヒントにする
インターネットが生まれて久しいので今更感のある話ではありますが、オンラインで人と人が繋がるようになった結果、今までは学校・職場・地域社会などたまたまそばに居たから仲良くなった人たちだった世界が、一気に思想や趣味など、物理的な距離よりも人間性や考え方そのもので繋がる世界になっていったかと思います。
このあたりは世代にもよるかと思いますが、顔は知らないけどめちゃくちゃ話が合って、近くの人よりもよっぽどお互いのことをわかっているSNSやオンラインゲームの友人っていたりしませんか?あるいはYouTubeやその他SNSの配信などで一方通行ではあるものの強い親近感を抱いている有名人やツイッタラー・インスタグラマーが居たり。その他、オンラインサロンなどで顔は分かるけど直接会ったことはない人たちも居ますよね。次第に仲が深まってリアルでも会うようになる人たちも少なくないですが、みんなはじめは文章だけ、音声だけ、動画だけで仲を深めていっています。
そう考えると、相手との距離を近づける、深い関係を築くことは、必ずしも対面である必要もないのではと思うのです。きっと今まで対面だと、何かいろんなことに頼り過ぎてうまくいっていただけかもしれない。非効率かもしれないけれども、オンラインならではのやり方があるはずで、ゲームルールが変わったのならそれに合わせた方が良いと思うのです。
どっぷりどっぷりはまっている人たちは、熱狂的な信者みたいなケースもありますよね。(正直、会ったこともないのにそこまで信じ込めるのすごいなって思ったりはしますが)
まだ私も明確な答えがあるわけではないですが、熱狂や共感がそこにはあるのか?とか、頻度高くコミュニケーションをしているのかどうか?みたいなところがヒントになりそうだなと感じています。これを営業活動や社内の組織づくりでどう活かしていけそうか?と考えを深めて色々試していくことが大事な気がしています。
その他、リモートでのやり取りが成立しやすい条件として、双方あるいは少なくとも片方だけでも、構造的把握力に優れている(左脳が発達)および/または相手の表情や声色から前後の文脈を掴もうとする細やかな配慮ができている(右脳が発達)ことが望まれると見立てているのですが、これはまた別の機会に書くことにします。こう書くと単純なんですけど、意外とできてないんですよね皆さん。(自戒もこめて)
ちなみにこちらは2013年に書かれた本ですが、いま日本でいろんな人が陥っているお悩みについて解説されています。文庫化してさらっと読めるので、これから導入したいとか、今導入したてで色々困っているという管理職や管理部門の人に良いかもです。
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