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旅を愛していた私、30代半ばでやっと心から「子どもが欲しい」と思えるようになった
Top photo & All photo by 古性のち in Okinawa
最初に子どもを持つ、持たないの人生に真剣に向き合わざるを得なくなったのは、32歳の時、新宿駅で。
再来週に控えた、初めてプロデュースする海外旅行のパッケージツアーに、自分も参加するし、お客さまも10名連れてゆく、というモロッコ渡航の仕事の準備のために東京を歩いていた、日暮れの時間帯。
珍しい母からの着信。電車に乗ろうと西口から新南口に向かう坂を登っていた私、何気なく通話ボタンを押す。
「子宮頸がんの再検査が必要だって」。今思えば、ただつい最近受けた婦人科系のがん検診に、引っかかっただけ、と冷静に思えるかもしれない。でも、その時の私たちには、とても大きな出来事だった。私たち、というのは、私自身と、きっと電話をくれた母自身。
この頃、私は人生で一番好きな旅に全力を注いでいて、1度目の結婚をやめて、日本国内の家を解約、家なし旅暮らし、仕事もずっと夢だったライターや編集者、フォトグラファーとして活動して軌道に乗り始めてしばらく経った頃だった。
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