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その背中を追いかけられる日は、いつまで続いてくれるだろうか、と。

「哀しいほどキレイな日ですね」と私は言った。「こうゆうのが『持ってる』って言うんですよね」と彼は答える。

新緑の道をぬけて少し歩いて、座って待って、私たちは献花をした。その間はきっと60分くらいあったけど、そのほかに私たちは多分全然話さなかった。

高畑勲さん「お別れ会」 宮崎駿監督は声を詰まらせながら、亡き盟友を偲んだ(追悼文全文) 

思ったことはいろいろある。けれど強く強く、あれから何度も想ったのは、私たちの命には限りがあるという当たり前の事実だけ。創りたいものは創るべきだし、それは「今」しかないかもだし、それを「一緒にやれる同志」がいる時代は、本当に大切にしようともう一度心に決める。

鳥井さんと歩いていたら、小松崎さんが遠くから歩いてくるのが見えた。「『夢と狂気の王国』を観ましたか?」と向こうから声がする。「宮崎駿さんと鈴木敏夫さん、高畑勲さんの3人の関係性が、描かれている作品です」と彼は言う。

静かな、美しい夏の日だな、と私は声にならない言葉で云う。

今は全然、当たり前なんかじゃないのだ。気づけばふと、失くなってしまうかもしれない儚い瞬間と選択の積み重ねを、私たちは生きている。

「確かだ」と想ったことも、手放してしまうかもしれないし、「これだ」と決めたことが、想像と違う方向へ転がってしまったりすることもあるだろう。

けれど私たちの毎日に「失敗」はないのだから、そこから「進めばいい」だけで。たくさんの先人が、インタビューを通じて私にそう言っていた。出会わせてくれたのは、たとえ進むと決めたのが私だとしても。彼ら彼女だったな、と今日も想う。

後ろ姿を撮る癖は、いつの頃からだっただろう。私の前を歩いてくれる瞬間は、あとどれくらいあるのかな?とついつい、考えてしまいながら。三鷹を歩く。風の散歩道をゆっくりと。

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あと、もうひとつお知らせ。今夜は告知をさせてください。「伊佐さんのnoteってどうやって書いてるの?」という質問をありがたいことにいただく機会が多く、お答えするイベントを開催させていただきます。

■初心者向け!伊佐知美の「取材とエッセイ」を学ぼう!with えいとびたー

5月19日(土)14:00〜17:00、場所は清澄白河駅の「リトルトーキョー」で、値段はリアル参加¥3,500、生放送配信での遠隔参加 ¥2,500です。三軒茶屋の旅人シェアハウスのメンバーが聞き手を務めてくれます。noteのエッセイの書き方だけでなく、ふだん仕事にしている取材の話もたっぷりするので、ぜひぜひご参加くださいませ。ではでは、おやすみなさい。よい夜を。

いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。