世界で一番愛してる、空港での待ち合わせ【アメリカ・ロサンゼルス→キューバ・ハバナ】
ロサンゼルスからシャーロット空港を経由して、私はキューバ・ハバナへ向かうことにした。けれどどうして、メキシコシティやカンクンを経由するルートもあったのに、アメリカ乗り継ぎ便を選んでしまったのだろう?
キューバの入国は、ほかの国とちょっと違って少しだけ手続きが煩雑だ。私は、出国直前にルイスくんや東松くんなど旅の先輩方にお知恵を借りて、「ねぇねぇアメリカからキューバ入国って、問題なくできるかなぁ?」と聞いたりしていた。
ざっと要約をすると、アメリカ経由のキューバ入国には
[1]理由が必要で(観光はNG)
[2]キューバ入国、出国の飛行機をあらかじめ予約・決済してあることが必須で
[3]事前予約の難しいキューバ国内の宿の事前予約証明が必要で
[4]麻布のキューバ大使館領事部を訪れるか、または郵送手続きで「ツーリストカード」なるものを事前に日本国内で3,500円を支払った上で入手し
[5]アメリカ資本でない海外旅行傷害保険の英語の証明書を持っていることが必要
とされている、のだ。
……これについては、上記をすべて満たしたというのに、ちょっとずつ各空港で手間取ってしまったり、余計な費用が発生したりしたので、まぁそれは別の機会に、別の記事でまとめるとして(メキシコ経由の入国は、また別だよ!そっちのほうがおすすめです)。
とかく私は、人生ではじめてキューバの地を踏むことになったのだ。今日。
飛行機がハバナ空港に着陸した瞬間、私は小さく眠っていて、期待が地面に着いたその衝撃で、びっくりして思わず何かを言いそうになってしまう。隣に座っていたキューバ人と思わしき女性は、シャーロット空港を出てからというもの、私のことをすごく心配してくれていた。
「着いわたよ」と彼女は言う。私も続いて、「着いたのね」と声にならないことばで言う。ロサンゼルスを出たのは22時だった。そこから時差を超え、夜を超えて、私は11時15分に、緑豊かなその土地を見る。
飛行機を出た瞬間、むわっという熱気と湿気が私たちを襲う。「夏の国に、来たのだ」と空気が言う。
ロサンゼルスも美しかった。けれどやっぱり、これくらい自然が豊かな方が、私の心は浮き立つなぁって。ラオスを思い出しながら、私は想う。
結局、ニューヨークもパリもロンドンもロサンゼルスも憧れるけど、落ち着くのは少しどこか田舎の雰囲気を醸し出す街なのだ。
世界の何処か、今これからひとつふたつを選んで暮らすとしたら、ジャカランダとブーゲンビリアとできたら桜が、交互に咲くような暖かな街がいい(果たしてそんな街は、存在するのか?)。
なんてことを考えながら、ぼうっとハバナ空港で立っていた。そう私は、今回はここで人を待つ。
ハバナ空港にはネットがない。というよりも、キューバにはネットがない。有料カードを購入して、1時間単位でつなぐことは不可能ではないらしいけれど、デジタルデトックス。その意味を込めて、「つながらない」環境を楽しむのもいいのではないかなぁ?なんて。
「13:15に、着くから」と、事前に約束を交わしていた。「搭乗ゲートで」と私も言う。到着時刻は、すでに過ぎていた。けれど待つと決めたのだ。会えるのが楽しみだなって、そういえばスマホを手に持たないで期待した時間を過ごすのは、なんだかものすごく久しぶりな気がしていた。
そうだから、このnoteも今この時書いてはいるけど、きっと更新はすこしタイムラグが出るだろう。
ウェブに生かされ、ウェブに生き、そこに土台を作りたいと思っている私だからこそ、こんな時間も噛み締めて。
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そうこうしているうちに、到着ゲートから、知っている顔が出てきた。「こんなにうれしいものなのかな?」と思うくらい、自然と顔がほころぶ。なんだか中学生の頃の待ち合わせのスタイルに、戻ってしまったみたいだ。
久しぶりに、というよりも人生ほぼ初めての、複数での海外の旅を。今回はちょっとやってみたいと思っている。