#私たちがカメラと歩く理由 すべてが変わってゆくから、そして自分を知ることができるから|古性のち・伊佐知美・GENIC
イベントの間、「どうしてカメラを手にするんですか?」と聞かれたとき、自分でも意外なほど「……どうしてだっけな?」と言葉に詰まってしまって、驚きました。
写真のことも、カメラのことも、大好きだから。当然のように、すらすらと答えられると思い込んでいたのだけれど。
どうやら「カメラのある日々」があたりまえになりすぎて、改めてことばにする、という機会を逸していたみたい。それくらい、近くにいてくれる存在が、私たちにとっての「カメラ」なようです。
そんな想いたちと、写真を真ん中に置きながら、1枚1枚大切にすくい取るように、「どうしてこれを、私たちは撮ったのだっけ?」とカメラ愛を確かめ合うようなトークイベントを実施しました。
トークのお相手は、写真家の古性のちさん。私たちはふたりとも、写真のほかに旅がすきで、奇しくも2016年春、ほぼ同じタイミングで、それぞれカメラを片手に世界一周旅行にでかけています。
古性のちさん(@nocci_84)
伊佐知美(@tomomi_isa)
世界はとても広いから、海外ですれ違うことは数年間でただ1回、タイ・バンコクでしかなかったけれど、その後は予定を合わせてトルコで1ヶ月ほど2人で暮らしたり、東京・三軒茶屋の一軒家を借りて、旅人向けのシェアハウスを一緒につくってみたりと、「旅と写真と日々」の同士であり深く尊敬する友人です。
イベントを主催するのは、写真を中心とした「表現」と「表現する人の想い」をお届けするカメラとトラベルのライフスタイルマガジン『GENIC』。
イベント中に登場する写真はすべて、古性のち・伊佐知美の両者が、信頼する愛機「Nikon Z 6Ⅱ」で撮影したもの。
この記事では、トークイベントのすべて、とまではいきませんが、写真が大好きな私たちが、どうしてカメラを手にするのか? そして、それで何を、いつ撮っているのか? の答えのかけらを散りばめました。
「カメラを手にして、すべてが変わった」「写真を撮ることで、自己理解が深まる」――そう話す私たちのことばのどこかに、日々を楽しく過ごすヒントが見つけられたとしたら、とてもうれしく思います。
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以下は、イベント参加者のみなさまから、事前にいただいた質問にお答えする形でトークした一部を要約・抜粋しています
▽Q1
旅の写真は観光写真になってしまいがちなので、その土地ならではの良さを引き出しつつ素敵な写真を撮影するときに心がけていることを教えてください。
▼A1(回答:伊佐知美)
暮らすような目線で、スケジュールを決めずに、心が動いた瞬間を撮って、そこからはファインダーをのぞきながら、その土地や時間の美しさを教えてもらうことが多いです。
▽Q2
写真を撮るときに、「これは注意している」というポイントを教えてください。
▼A2(回答:古性のち)
風景なら、なんとなく撮るのではなく、ちゃんと主役を決めてあげること。
人物を撮るなら、「風景の中に誰かが溶け込んでいる」ことを意識すること。どちらもがどちらをも引き立てているというか、そんなイメージで撮ることが多いです。
photo by 古性のち
▽Q3どんなレンズが好きですか?
▼A3(回答:伊佐知美)
単焦点レンズ。いまはとくに、「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」を溺愛しています。
すきな理由は、体と心が一致する感覚を得られるから。多分私は、写真を「風景の記録」ではなく、「視点の再現」だと捉えているのですよね。体と気持ちが連動して、相乗効果を出してくれる感覚があるというか……?
いや、難しいことなしに、ただ好きなのですが(笑)。もちろん、ボケ感や光の取り込み方もお気に入り。
とはいえ、仕事や旅行において万能な「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」や、星や広い空、建物を撮る時に活躍してくれる「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」も大好き。使い分けも、カメラの楽しみのひとつ。
▼A3(回答:古性のち)
私は、じつはあんまり「これ!」っていうお気に入りがないのですが……最近は旅にでかける機会が増えてきて、「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」は、1本で色々撮れるのですごく重宝しています。
photo by 古性のち
1本あればどんな場面でも大丈夫なので、心強いです。ちなみに、もちろん単焦点も大好物!
photo by 古性のち
▽Q4
最近は携帯で写真を撮ってとても綺麗に写せますが、それでも尚、お二方がカメラを手にする一番の理由はなんですか?
▼A4(回答:古性のち)
Instagramのストーリーや、LINEなど、インスタントに撮る時は、スマホに頼ることも多いです。
でも、きちんと作品として綺麗に写したいとなると、やはり見せたい状況に合わせて自分でボケ感や距離感を細かく設定したい……。そういう「こだわり」みたいなのがきちんと反映できるのはカメラの魅力なのかなと。
photo by 古性のち
あとは結構、「カメラを持っている自分が好き」の自己肯定感もあるかもしれないです(笑)。
photo by 古性のち
▼A5(回答:伊佐知美)
👆の、のちちゃんの自己肯定感についての話は、私もわかるかもって思った……(笑)。
あとはやっぱり、懐の深さかな。Z 6Ⅱさえ持っていれば大丈夫、どんな状況でも対応できる、暗い場所でも室内でも最高の絵を残せる、と思える安心感。
静止画だけでなく動画も含めて、表現の幅を狭めない、できないことがない、自分の可能性を引っ張っていってくれるのがZ 6Ⅱ=フルサイズカメラかなと。
▽Q6
写真に出会って、自分の生活や生き方がどう変わったか知りたいです!
▼A6(回答:伊佐知美)
……うーん、すべて、かもしれない、といま思いました……! 私は旅行と、暮らすこと、文章が大好きなのですが、そのほかに写真も私のベースを作ってくれるものだと感じています。カメラがなかったら、全然違う日々を過ごしていた気がする。
カメラがあって、写真を撮って、歩んできた日々を残してくれて、それを見るとまた思い出せるから、またそれらを用いて日記?作品?みたいなものをさらに残していけるから、私、になれるというか(おおげさだ〜!笑)。
カメラは、人生を楽しくしてくれるもので、その上複合的な要素があり、まわりに助けられて仕事になってくれている面があるので、振り返ってみると、なんだか全部変わったかも……と。
写真に出会って、世界の美しいものを、みずから探したいな、というマインドが備わるようになりました。
そして、写真を撮ることで、その色合いや、なにに心奪われたのか、どの瞬間にシャッターを切るのか、などを知って、それが結果的に「自分との対話」になっていくというか……自己理解につながる、という面もあるんですよね。
なので、自分のいまの状態を一番素直に映してくれる鏡のような存在。それは、カメラを手にする前は知らなかった世界でした。
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……などなど、まだたくさんお話したことはあるのですが、長くなってしまうのでnoteではこのへんで。
このイベントの中で答えたものが、すべて正解なのかは、まだわかりません。
けれど、ファインダーをのぞくことは、世界の美しさを探して、どこに心を動かされて、そしていまの気持ちがどのあたりにあるのかを知る、すてきなきっかけになりますし、
お気に入りのカメラに出会うことは、こんな人生の時間がわたしにあった、と本人はもちろん、家族や大切なひと、と共有する手段になり得るのだと思います。
photo by 古性のち
その行為が、履歴が。そしてこれからの未来に「またどういう表現をしようか」と考えられることが、私にものちさんにも、とても豊かなことに映っているのだ。……という事実を改めて共有した、たった1時間、されど1時間の、楽しい写真の時間となりました。
photo by 古性のち
このイベントに参加してくださった方の中から、8名の方にZ 6Ⅱの16日間無料体験をプレゼントさせていただく予定なので、もし当たった!という方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒にZの世界を楽しみましょうね。
では、また。そろそろ年末ですね。冬は、イルミネーションが美しく撮れる季節。
当日のイベント動画はこちら
当日参加してくださったみなさまの感想はこちら(本当に、ありがとうございました……!)
参考:古性のちさん、伊佐知美、GENICの2020年夏の過去イベントの様子