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フリーランス音楽療法士のお仕事事情〜訪問セッション開拓編〜

音楽療法士の働き方を考える

音楽療法士として働くには、いろんな働き方があります。大きく分けると、

①1つの施設や病院などに所属して【常勤】または【非常勤】で働く

②複数の現場を掛け持つ・自分で場所を確保してセッションを提供する、などして【フリーランス】として働く

③会社や法人を立ち上げて音楽療法を提供する【経営者】として働く

のどれかに当てはまる方が多いのではないでしょうか?
私は、今は③の経営者兼セラピストとして働いていますが、長年②の働き方をしていました。

①のように、どこか1つの場所に所属していると(それはそれでいろいろ悩みや不満がある場合もあるでしょうが)
【仕事がない!】
【収入がない!】
ということは、ほぼないでしょう。
そこで充実した音楽療法士ライフが送れているなら、とても良いと思います♪

しかし、そもそも安定した就職先が見つからなかったり、今の場所で「やりたいことができていない」と感じていたりする人もいるはず。
また、音楽療法士だけで生活するのは難しいから、別に本業をして、副業で音楽療法士をしている人もいると思います。

【フリーランス】や【副業】で働くって、自分でいろいろ段取りしないといけないので
「何から始めたらいいの?」
「みんなどうしてるの?」
って思いませんか?
私もずっと思ってました。(今も思ってますが。)

そこで、これから【フリーランス】や【副業】を始めたい方、今その働き方をしている方、どっちでもないけど興味がある方が、少しでもスッキリするように【お仕事事情】について、私の経験や知り合いの音楽療法士さんのケースを織り交ぜて、シリーズでお届けしていきます。

「どこで?」「どうやって?」「いくらで?」

あたりが、知りたいポイントでしょうか?
今回は第一弾!《訪問セッション開拓編》をお届けします♪


訪問セッションを仕事にする

どんなところで働くのか?

音楽療法はさまざまな場面でおこなうことができるので、場所もさまざま。
よく聞くのは、

高齢者施設(デイサービス・老人保健施設・特別養護老人ホーム・グループホームなど)

児童福祉施設(児童発達支援センター・児童発達支援事業所・放課後等デイサービス・児童心理治療施設など)

障害者福祉施設(障害者通所施設(作業所・生活介護)・障害者入所施設・グループホームなど)

総合病院やクリニック(精神科・心療内科・産婦人科・小児科・リハビリテーション科・緩和ケアなど)

自治体の公共施設(子育て支援センター・社会福祉センター・保健センターなど)

こんなところでしょうか?
他にもあるかもしれませんが、ひとまず話を進めます。
これらの訪問先と、それぞれに【訪問頻度(回数)】【所要時間】【内容】【料金】などを確認し、双方に納得できたら契約して、お仕事がスタートします。

どうやって仕事を見つけるのか?

では、音楽療法をするための現場はどうやって見つけるのでしょうか?
こちらもいろんなパターンがありますが、現実的なのは次の4つ。

音楽療法士仲間からの紹介(「音楽療法士を探している」と依頼が来たけれど自分は行けないという先生や音楽療法士仲間からの紹介)

前任者からの引き継ぎ(既に働いていた音楽療法士が何らかの都合で辞めることになった枠を引き継ぐ)

クライエント間の口コミ(訪問しているクライエントが「音楽療法いいよ!」と他の施設に口コミしてくれて繋がる)

福祉コーディネーターからの推薦(訪問している施設に出入りしているコーディネーターさんや相談支援専門員さんが「他の施設にもぜひ!」と繋いでくれる)

私が今までに訪問の仕事を得たルート、実はこれ以外にありません。。。

「え?ちょっと待って!じゃあ、最初から何らかの人脈がないと仕事見つけられないの?!」

と思いましたか?・・・ですよね?
そこで、

営業活動する(「ここで音楽療法したい!」という施設(病院)に直接連絡を取ってアプローチする)

という画期的な方法も考えました!
・・・いや、そんなこと誰でも思いつきますよね。笑
ところが、これがなかなか難しいんです。

私は、学生時代に「ボランティアでも経験を積みたい」と、ある施設にお願いしてみたことがあります。
でも、「音楽して帰るだけならいいけど、利用者さんの名前や症状を教えることや、セッションの記録を残すことは許可できない」と【音楽療法】としては受け入れられませんでした。

社会人として仕事の営業をするなら、さらに【金額交渉】が必要です。
知人の紹介や口コミであれば、先方もそれなりに交渉に応じてくれますが(希望が通るかは別として)、1から営業の場合はここで苦労するというのもよくある話。

もちろん、営業で現場を開拓している音楽療法士さんもいるでしょうし、めげずに複数当たっていけば仕事に繋がることもあると思います。

だから「営業は無駄だからやめといたほうがいいよ」と言うつもりはありません。
それに「絶対にここで音楽療法したい!!」と思う施設があれば、一度当たってみる価値はあると思います。

ただ、総じて見たときに、営業が効率的かというと・・・【時間】【労力】【メンタルダメージ】を考えると、お勧めの方法とは言えないかな・・・というのが私の意見です。

仕事が巡ってくる音楽療法士になる

では、どうしたらいいのか?
同じ【時間】と【労力】をかけるなら、まずは「仕事が巡ってくる音楽療法士になる」ことに費やすのをお勧めします。
「仕事が巡ってくる音楽療法士」とはどんな人かというと、先ほど挙げた4つのパターンにヒントがあります。

①同業者や関連職種の人脈を作る

まずは、やっぱり人脈作りから。
「そんな~、コネとか伝手とかありませんねん・・・」という人も多いと思います。
いや、最初はみんなそうです!!

私が一番最初に仕事を得たのは、学生時代のこと。
ボランティアで音楽活動をおこなっていた施設で、担当職員さんが声をかけてくれました。

「いろんな施設の主任が集まる会議で、音楽療法を取り入れたいっていう方と知り合ったから紹介してもいい?」

というお話でした。
学生時代は、臨床経験最優先!だったので、ボランティアだと思いつつ喜んで伺うことにしました。

そこで数回セッションをしたある日。
主任さんが、
「音楽療法の先生ってことで、上に話を通したから、今日から謝礼をお渡しするね」
と言ってくれたのです!
大きな金額ではありませんでしたが、ボランティアだったセッションを有償にしていただけたこと、そして何より、学生だった私にも「お金を払う価値のある専門職」だと音楽療法を認めてもらえた気がして、とても嬉しかったことを覚えています。

それから、私は地元の恩師からもお仕事を繋いでいただいていました。
「音楽療法士になりたい」と思った高校生のとき、最初に相談したピアノの先生が紹介してくれた音楽療法士の先生です。
学生の頃から、先生の現場を手伝ったり、勉強会に参加したりしていて、卒業後にお仕事をいただけるようになりました。

人脈を広げていくためには、
地域の音楽療法士が集まる研究会
関連職種の勉強会(リハビリ職・特別支援教育・音楽教育など)
異業種交流会
などに参加するのもお勧めです。
また、「フリーランスでガッツリやっていきたい!」という人は、初期投資として、【創業セミナー】とか【起業塾】みたいなところに通うと、知識もアイディアも人脈もすごく増えると思います。(商工会議所や自治体の広報誌などに情報があります)

②与えられた場所でとにかくいい仕事をする

先程、私のセッションが、ボランティアから有償にランクアップしたエピソードを書きましたが、当時はまだ学生でしたし「すごいセッション」をしていたわけではありません。
何が良かったのか、実際のところはわかりませんが、
【そのときにできる最良のセッションを気持ちを込めて精一杯やる】
ということを、当時からずっと心掛けています。それから、
【常に向上心を持って研鑽を怠らない】
ということも。
そういう姿勢や想いは、自然と伝わるし、セッションにも表れると思っています。
すると、クライエントの良い反応や変化が目に見えて感じ取れます。そして、

・謝礼がアップする
・口コミや紹介で次の仕事に繋がる

など、嬉しい副産物も期待できます。これは、本当です。

③良い関係が築けているところでどんどんコミュニケーションを取る

そして最後に、訪問先と良い関係が築けてきたら、もっと仕事を増やしていきたいことや、音楽療法への情熱、今後目指している展開など、お力添えいただけたら嬉しい話題をどんどん話しましょう。
こういう地道な積み重ねによって、ご縁は繋がっていくものです。

コツコツにまさる近道はなし

結局、はじめから簡単にたくさん仕事を見つける方法ってないです。
自力で営業するにしても、上手くいくときもあれば、いかないときもある。

残念なことに、音楽療法士はまだまだマイナーで、求人情報サイトを検索しても【検索結果:0件】て、出ます。

でも、思いを持ってコツコツ積み重ねることで、道は開けてきます!
すぐには難しいから、「いつか…」と考えているなら、今から動くことをお勧めします。
人脈づくりも勉強も、今やっていること(学校や仕事)を続けながらでもできますからね!

次回は、《自分で場所を確保して音楽療法を提供する方法》についてのお話です。
やりたいことで楽しく働く方法、見つけていきましょう♪

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