劇団四季ミュージカル『ゴースト&レディ』オリジナル・サウンドトラックのマスタリングを担当しました
劇団四季ミュージカル『ゴースト&レディ』オリジナル・サウンドトラックのマスタリングを担当しました!
『ゴースト&レディ』は「うしおととら」「からくりサーカス」で知られる藤田和日郎氏の漫画「黒博物館 ゴーストアンドレディ」を原作にした劇団四季の最新オリジナルミュージカル。ミュージカル公演は2024年11月まで東京にて、2025年には名古屋・大阪での公演が予定されています。各種音楽配信サービス/ダウンロードストアへはこちらからアクセスして是非お聴きください。
そもそもマスタリングとは?
おそらく劇団四季のファンの方でこのnoteにたどりついていただいた方もいると思いますが、そもそも自分が担当した「マスタリング」とはなんなのかというと、CDや配信で皆さんのところに届く音楽を制作する上で最後の最後の仕上げとして存在する工程です。SNSにアップする料理の写真を撮るときに盛り付けや光の当たり方、お皿の向きとかを気にかけたり、場合によってはちょっと色味を強調したりする、マスタリングでやることはそういう感覚に近いです。「映え」ってやつですかね!ただし謂わゆる今時のSNSのギラギラした「映え」だけではなく、もっと本来の意味での「映える」をつくる感じでしょうか。
『ゴースト&レディ』は劇場での収録
音楽が録音されている風景として「THE FIRST TAKE」のような光景を思い浮かべる方は多いと思いますが、今作『ゴースト&レディ』サウンドトラックはCDのブックレットにクレジットされているように劇場で収録されています。この収録方法は今作がまるで脳内で劇が開幕するような没入感を与えてくれる強い要因になっています。これは四季の制作スタッフ皆さんの英断だったと思いますね。実際マスタリングにおいても、舞台上での演技・歌唱とオーケストラの演奏とが同時に繰り広げられているようなサウンドをイメージして仕上げをしました。
全部の音が聴こえるように
今回『ゴースト&レディ』のマスタリング作業をやらせてもらう前に、実際にミュージカルの観劇をさせてもらいました。そのとき音楽に関して印象的に感じたのは、楽曲のオーケストレーションが各役柄の感情をより豊かにしていること。役者さんの心情や動きを彩るようなこの音楽をより引き立てるために心掛けたのは、『全部の音が聴こえる』仕上がりです。と、こう書くとあまりに簡単なことに思えますが、音には別の音を隠して聴こえにくくする性質があるので簡単なようで意外と贅沢な望みなのです。オーケストラの演奏の細かいところまで、音程までをしっかり聴き取れる仕上がりを目指しました。
皆さんも指揮棒振っていますか?
そんなこんなで仕上がったこのサウンドトラック、ぼく自身もとてもすきなアルバムになり普段の帰り道などでもよく聴いているのですが、無意識に「エア指揮者」をやりたくなりながら聴いています。ひとによっては踊りたくなったり、歌を口ずさみたくなったり、胸を張って歩きたくなったり、無意識に身体を動かしたくなるような仕上がりになっていたらこれエンジニア冥利に尽きます。
ついでに技術的な情報をひとつだけ
『ゴースト&レディ』サウンドトラックはApple Musicはじめ一部対応したストリーミング/ダウンロードサービスでは「ハイレゾ」音源を楽しむことができます。データ容量は大きくなりますがまさにマスタリングで仕上げたサウンドが限りなくそのまま聴けるのが「ハイレゾ」というものです。よりサウンドトラックの世界に没入したい方は「ハイレゾ」視聴、おすすめです!
素晴らしい舞台を作り上げた劇団四季の皆さんに限りなき感謝を!
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