81.バスケが初めて楽しかった日
体育全般苦手だったのですが、特に球技は全くダメでした。6年生になるとバスケの授業がかなりあり、嫌でしょうがありませんでした。
私にパスが回ってくると大抵力づくでボールを叩いて奪うか、パスしてもすぐ奪われるかします。なので、チームの作戦会議の中で、私にはボールは回さないという作戦になり、大変傷つきました。残酷な作戦でした。
3学期のその日もバスケの授業が始まりました。まずはシュート練習。体育館の8カ所のゴールに順番にラインからシュートして入れば次のゴール。早く終わった人から座ります。
シュート練習だけは大好きでした。得意でした。あっという間に一周できたからです。その日、チームの作戦会議で女子の1人が私を指して言いました。
「今まで気づかなかったけど、シュート上手いよね。今日はゴールの下に立ってて!みんなシュートはここに集めよう!」
私はゴールの下に立ち、試合中にシュートのボールは全て私の所へパスされることになりました。ゴールに入れるのは得意なので、渡ったボールはほぼ入れました。そして勝利しました。
チームのみんなは「なんで今まで気づかなかったんだろう」と言って笑顔を見せました。私も、試合で活躍できる日が来るなんて思いもしませんでした。チームの一体感がとても心地よかった。
この日は初めてバスケが楽しかった日でした。でももう6年生も終わりに近づき、バスケ最終日でした。これからなのにと名残惜しい、でも思い出深い日でした。