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やる気のない中学生に日本語を教えた話①

子ども向けの日本語レッスン、皆さんはどんなイメージを持ちますか。

私は主にビジネスマンを対象にプライベートレッスンをしてきたのですが、一度だけ中学生の女の子を学習者に持ったことがあります。

彼女のご両親は日本人なのですが、幼少期から海外に住んでいて、私がレッスンをしていた当時は日本で英語がメインのインターナショナルスクールに通っていました。家庭内ではほぼ英語、お母様とだけ日本語で話すことがある。そんな彼女も進学に向けてアカデミックな日本語力を身につけることがあるということで、お母様の考えで日本語のレッスンを始めることにしたということでした。

初めて彼女に会った時は「大人しくあまり表情の変わらない子。」そんな印象を持ちました。質問されたことにだけ答える。目も合わせたくない。”早く帰りたいオーラ”が眩しいほどに出ていました。

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さて、もし皆さんが彼女のレッスンを担当する教師だったら、どんな風にレッスンを進めていきますか。

私はというと・・・まずは彼女にレッスンに興味を持ってもらうことに必死で、中学生の女の子が興味がありそうなことを考えました。でも・・・

これが間違っていた!!

まずはファッションを話題に話を進めていこうと思ったんです。どんなファッションが好きかとか日本とアメリカのファッションの違いとか、とにかく発話して欲しかったし、彼女についてもっと話して欲しかったんです。

でも、ちょっと席を外して戻ってみると、ノートの片隅に

boring...

って書いてあって・・・

もちろん気がつかないフリをして笑顔で話を始めましたが、ショックだったなぁ。

いや、ショックと言うより「やっぱり?」って感じだったかな。

これがきっかけで教師としてのプライドに火がつきw、「何としてもこの子に楽しいと思わせてやる!!」と更に様々な話題を振っていくようになりました。


小学校高学年から高校生ぐらいまでって、やっぱりちょっとお年頃なんでしょうね。学校とか勉強とか先生とかって、多くの場合きっとうざったいもの。私が学生の時に中学生の男の子に英語を教えていたことがあったんですが、あまりにナメてかかるので胸ぐらを掴んで出て行けと言ったことがあります・・。これ書いて大丈夫かな(・∀・;) 本題とは違うのでまたどこかで・・


そんな年頃の学習者のレッスンを進めていく場合、いかに心を開いてもらえるか、いかに信頼してもらえるかが大切なのではないかと思います。特にこの年頃の子どもたちは、自分の意思でレッスンを受けているのではないことが多いですよね。それを生活の中に”レッスンがあって当たり前”の状況に変えて継続に繋げるためには、”勉強させられている”とか”これをやらされている”という感覚を、”今は勉強の時間””これをやる時間”のように、どれだけ本人に受け入れさせていくことができるか。それがカギになるんだと思います。

と言うことでここから私がやったことは、”とにかく自分のことを話してもらう”と言うことでした。色々な質問をして、反応を探るんです。そうすることで少しずつ食いついてくる質問とそうじゃない質問がわかってきます。

例えば

「今までどの国に行ったことがある?」

「どの国が一番好き?それはどうして?」

こんな風に彼女の好みを探ったり、

「その点について日本の場合はどうかな?」

と、更に彼女の考えを探ってみたり。


お父さんやお母さんてどんな方?

お兄ちゃんやお姉ちゃんとはどんな話をする?

と家族について聞いた際には、実は祖父母とも同居しているなんてことを教えてくれて、こちらが質問をする前に嬉しそうにお爺様のことを話し始めたんです。

「お爺ちゃんて意地悪でね、私が〇〇をすると・・・」

と、エピソードを話しながら思い出して笑顔になっちゃってて!

この時はもう彼女が自分から話を始めてくれたことが嬉しくて嬉しくて、可愛くて可愛くて、大して面白いエピソードでもなかったんですがw、大爆笑しました!!

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ただの雑談のように思うかもしれませんが、こういう”好み”や”考え”、”笑い”を引き出す作業ってとても大切だと思います。

学習者の”好み”を知ることで話題が選びやすくなるし、学習者の考えを知ることができればその中でも更に食いついてくれそうな(興味がありそうな)話題を選ぶ際のヒントになります。それに、学習者の中にある”楽しい”を共有してくれることで心の距離が近くなると思うんです。

この”食いついてくれそうな”というところはもちょっとポイントがあるので、それは次の記事に。。

というとで、徐々に彼女のツボを掴んでいった私は見事継続契約、そして数年お休みの後で更に再契約を結んでいくことになります。

彼女とのレッスンがどう進んでいったか、続きはまた次の記事に書いていきたいと思います。




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