最近の富士山での山岳遭難を知り、過去の富士登山を思い出す、残雪を見て、撤退を決めた、そして自分の体調も悪かったこと。
最近、山開き前の富士登山で、遭難事故が起きている。特に、群馬の若きクライマーの死には、心を傷める。残念で仕方がないのだ。
これは、自分の過去の思い出だ。このイベントは、自分が立ち上げたものでなくて、他の支部の有志の方々がバスの手配や、人集めをしてくださり、それに誘われて参加したものだ。メンバーは、山の会の会員のみ。どちらかというと、ハイキング感覚の軽いノリだった。
時代は、独身時代。うちの山の会からも、危なっかしいからと、私をよく知る男性会員も参加してくれた。
もしかしたら、山開きした直後だったかもしれない。けど、心の片隅にまだ山小屋も開いておらず、雪の吹き溜りになっていた記憶がおぼろげにある。
記録が残ってないんで、おそらく、夜行で、高速のインターあたりで、ピックアップしてもらったような。記憶が曖昧である。
偵察なしというのが、怖かった。まだ、本シーズンでないので、人もほとんど見かけず、自分が先頭を歩くなんて、思っても見なかった。(なんとか長という役をもらっていたし、体調も悪かったこともある。)
1時間、どうだろ?2時間。目の前に結構な残雪の塊が現れて、アイゼンの準備もないし、私も顔色が徐々に青ざめていき、それを同じ山岳会の男性が、察知し、ああ、ここで、撤退、引き返す頃合いだと、判断してくれた。
だから、いつも山をともにしている、仲間が参加してくれたことは、本当にありがたかった。私だけでは、どうにもならなかっただろうし。
実のところ、体が慣れてないこともあって、絶不調。
で、撤退を決めて、下山へと。
割と、すんなり受け入れられ、登頂よりも、興味本位の参加の方が多かったかもしれない。
単独で富士山、吉田口から登ったことがあったが、その時期は、登山客も多く、登山道には、列をなして、登っているから、そのあとをついていけばいいので、迷うことはないが。
残雪の山は、低い山でも、道がわかりづらくて、迷いやすい。木々につけられた、赤布を頼りに、ここだろうと道を探りながら登るが、富士山には、木々がないし、地面や、岩にペンキで、矢印が。だけど、雪で隠れてしまっているから、わからない。
そして、富士山となると、高度により天気が急激に変化し、特別な天気図(高層天気図)を書いて予知しなければならない。下界の天気図だとまるで当てにならない。おまけに高度が上がる分、気温も下がり、思わぬところで、風、ガス。本当に、油断してはならないと思う。
私の心の中では、富士は、遠くから眺めるもの。登っても、苦しいし、寒いし。
トレーニングとしては、絶好だけど、そういうときには、単独よりもグループで、登ったものだ。
最近の、富士山登山の遭難ニュースを聴いて、過去のことを振り返る。
自分の6月鬱も、そのニュースで、なんか虚しくなってしまったのが、少し一因している。