
アブダビと日本の意外なつながり|万博と石油の話
アブダビは多国籍社会だし気候もよく、環境的にも快適。発展途上の中東国だからそれなりに困ることもある。
それでも、行政の手続きの中で「日本人だから得をした!」と感じる場面があるのは驚きでした。アジアを出たことのなかった私が、違和感なくこの街に馴染めたのも、不思議に思っていたことの一つです。
冬のアブダビでは、伝統文化を紹介するイベントが数多く開催されます。いくつか訪れて歴史を知るうちに、日本との深い関係が、この居心地の良さにつながっているのではないかと感じました。
「アブダビ国」として参加した大阪万博
シェイク・ザイード・フェスティバルというUAEの伝統と世界の文化をお祝いするお祭りに行ってきました。
そこでふらっと立ち寄ったブースでは、アブダビの歴史とともに歴代の王族が紹介されていました。
のんびり眺めていると急に現れるカタカナ。

ここで日本語を見ることはほとんどないのでびっくりする。
それは、全部1970年の大阪万博の資料でした。




50年以上前の万博の展示がこんなに丁寧に保管されて展示されているなんてすごい。
UAE(アラブ首長国連邦)は1971年建国なので、1970年に開催された大阪万博では「アブダビ国」として参加しているのがわかります。
1968年に英国保護下から独立に向かったので、一国として参加できた記念すべき万博なんだと思います。


日本も協力したアブダビの石油産業
独立したばかりの小さい国がどうして万博に出展できたのかが資料に書いてありました。

現在のUAEは世界有数の石油大国で、まさにオイルマネーのイメージ。
アブダビに引っ越す時は「石油王と結婚したの?」って沢山聞かれたw
でも初めて石油が発見されたのは1959年とつい最近で、それ以前は小さい村だったことがよくわかります。

60年代から始まった石油産業の基盤に協力したのが、日本の丸善石油(現在のコスモ石油)などの支援だったそうです。
その結果、日本にとってアブダビは、初めて石油の採掘権を獲得した外国の一つ。
当時の日本はエネルギー資源を求め、アブダビは技術や資金を求めていて、win-winの良い関係があったんじゃないかなと思いました。
1950年代は、日本は高度経済成長、アブダビは石油発掘開始と同時期に盛り上がっていることもシンクロしてる。
1970年の大阪万博によって、日本もアブダビも「これから発展していく国」として、世界に向けて発信していて強い信頼関係が感じられる。
それぞれ今の発展があるのも、この関係性のおかげといっても過言ではないかもしれない。
まとめ
私が驚いたのは、これが意外と最近の話だということ。
まだ近い過去だからこそ、日本に対してよりいい印象が残っているのかなと感じました。
今の日本人にとってUAEといえばドバイの方が目立っているけど、こうしてアブダビに住むことになった身としては、先人たちの強い信頼関係を壊さず、より発展していけるように過ごしていきたいと思いました。