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おじさんの青いハンカチ
ぼくは 毎朝 がっこうに いく途中 公園で あるおじさんと 会う。
おじさんは ぼくを 知らないし ぼくも おじさんのことを よく知らない。
でも ぼくは おじさんのことを 少し 知っている。
それは おじさんの 青い ハンカチ。
おじさんは いつも 背中を 丸めて ダンゴムシみたいに 歩いている。
それに たばこの においがついた スーツを きているし、
たまに 朝なのに お酒の においが することもある。
でも ぼくは 知っている。
おじさんの 青い ハンカチは しわ一つなくて ピシっ!としていること。
おじさんは ぜんぜん ピシっ!としていないのに、
青い ハンカチだけは いつも ピシっ!と しているんだ。
なんで ぼくが それを 知っているかって?
ぼくは ひろったんだ おじさんの 青いハンカチを。
おじさんの 青いハンカチは やさしいせっけんの においがした。
おじさんは たばこのにおいが プンプンするのに ハンカチだけは いいにおい。
おじさんって なんか こわい人だと 思ったけど
あの ピシっ!とした 青いハンカチを 思い出すと
おじさんは やさしい人 なんじゃないかな。
こんど おじさんに 会ったら 「おはようございます!」と
言ってみようっと。
おしまい!