花あれば、心躍る②
岩の中は まるで別世界のようです。
そこは まわりを見わたすかぎり 木や野草、野花が生いしげっている 森の中でした。
コウヤくんは 自分の身に 今何が起きているのか 理解できずに ただただ その場にたたずんでいました。
その森の中は コウヤくんが大好きな 絵本の中の情景と 全く同じでした。
コウヤくんは ビックリしたまま 開いた口がふさがりません。
コウヤくんが 足を1歩前に ふみだそうと思った瞬間 足が とても重たく 感じました。
いつのまにか 鎧と仮面を 装着していたのです。
おどろいている コウヤくんの目の前に、突如 女神が あらわれました。
女神は コウヤくんに こう言いました。
「あなたは、どうしてここに来たんですか?」
コウヤくんは、しばらく考えてから、こう言いました。
「どうしてここに来たか わからないけれど、強くなりたいんだ。ここに来たら、あの絵本の主人公みたいに 強くなれる気がする。」
「あなたが そう望むのであれば、この地図を おわたししましょう。
あなたの目には この地図に 書かれている道が まだ見えません。
あなたが進むたびに 次に進むべき道が 徐々に 見えてくることでしょう。そして、この懐中電灯も一緒に。
暗闇の中のあなたを 照らしてくれるでしょう。」
そう言い残して、女神は ほほえんで ふわりと 姿を消しました。