「漆(うるし)」について
こんにちは!
今回は日本古来の生活用品「漆」について、まとめてみました。
昔から活用されていて、たぶん日本のご家庭に一つは必ず(多分)ある「漆」たち。。実は結構スゴイものだったのです!!
¿「漆(うるし)」ってなあに?
漢字で「漆」と書いたとき、それは東アジアから東南アジアに生息する「ウルシの木」の樹液のことをいいます。
杉・松・桜・桃・梅など木の漢字には「キヘン」がついていますが、「漆」という漢字だけは「サンズイ」がついています。「サンズイ」のついている木は「漆」だけです。
「漆」の漢字の「つくり」の部分は「木に傷をつけて水が出る」という意味の組み合わせ(木+八+水)。つまり、「漆」は木材としての役割よりも「樹液を採る木」として昔から利用されてきたのです。
¿漆芸(しつげい)ってなあに?
漆の木から出る樹液を器の表面に塗ったり、模様を描いて作品を作る技術のことです。漆は固まると水をはじき、腐らない被膜を作るので、昔から生活の道具に用いられてきました。椀や箸、盆や重箱など、身の回りのものに多く利用されています。漆は石器時代から接着剤として使われ、塗料としては9,000年前の縄文遺跡から赤い漆が塗られた装飾品が見つかっています。
この漆の特徴を生かし、金・銀や貝で美しく装飾し、大切な文書や衣装を入れる箱や、楽器、刀の鞘や鎧などが作られてきました。現在では、椀や盆などといった生活用品のほかに、茶道具(棗 なつめ 抹茶を入れておく容器、香合)や飾箱など美しい漆芸作品が作られています。
¿漆の樹液はどうやって採るの?
漆の樹液は人の血液と同じで、漆の木に傷がつくと自身を守るために乳白色の液を出し、空気に触れると硬く固まる性質があります。15年から20年育てた漆の木1本から平均200グラムの樹液しか採れません(汁椀をわずか数個作れるほどの量)。地域により、10~15年くらいに育ってから樹液が採取できるようになります。
地域差がありますが、漆は5月終わりごろから11月初めころまでの期間をかけて採取されます。季節により採れる漆の質が異なるため、採取した後、漆を分けていきます。7月8月の暑い時期に採取される漆は上質なものが多いため、仕上げ用の上塗りとして使用されます。集めた樹液を生漆(きうるし)といい、こしてゴミを取り除いて使います。
商品として生成された日本漆は、非常に貴重で高価なものです。漆搔き職人は「漆の一滴は血の一滴」とよんで大切に扱います。日本の農山村から漆の木がほとんど消失した現在、日本で使用される漆の大半は中国産となっています。
¿漆の性質は?
漆の固まり方は、水分がなくなって乾くのではなく、湿度の高い環境で固まるものです(硬化)。その仕組みが大変難しくてめずらしい液体です。一度固まったら塩酸でも硫酸でも溶けないほど強く、金属でもくっつけてしまうほどの接着力があるという、史上最強の天然塗料です。漆は世界中を見回しても類を見ない、貴重な天然樹脂なのです。
漆は硬化すると防水効果、菌の抑制効果を持ち、金属やガラスを溶かす酸やアルカリにも影響を受けにくくなります。接着用・防腐用・防水用・塗料として古くから使用されてきました。
採った樹液を陽に当てながらかき混ぜ、水分を蒸発させると透明な透漆(すきうるし)ができます。漆は塗料として、また顔料(色のもととなる粉)を混ぜて絵の具(色漆)として、さらに接着剤としても使われています。
漆は木、竹、紙、布、皮、金属、焼き物など、ほとんどの素材に塗ることができるのです。
¡ちなみに、ウルシかぶれについて!
答え:漆塗りの製品ではかぶれません。
漆器でうるしかぶれになることはありません。
山に入った際に漆の木に触れて腫れあがったりしますが、これは漆の主成分であるウルシオールに肌が反応する接触性の皮膚炎です。強い痒みが伴い2~3日続きます。赤い発疹が引くまで1~2週間かかりますが、早く治す為には皮膚科に行ってステロド剤を塗ることが一番です。
うるしかぶれは抗原抗体反応でおこりますが、何度もかぶれていると次第に免疫が出来てかぶれなくなります。漆の塗師さんたちは漆に免疫が出来ていて漆の塗料に触れてもかぶれません。
うるしかぶれは生の木や漆塗料への接触でおこりますが、敏感な人でも完全に乾燥された漆器でカブレルことはないのでご安心してください。
ただし、粗悪な不純物がまじった漆塗料を使った漆器は内部が充分乾かず、まれにウルシカブレを起こす人もいます。
その場合はその漆器は完全に乾くことがないので、使用は控える必要があります。しかるべきお店でしっかりした漆器を吟味のうえでお買い求め下さることをお薦めします。もちろんYUIYUの漆器は大丈夫です、ご安心を!
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