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やなせたかしさんとコテンラジオ

昨年、3月にコテンラジオにてやなせたかしさんを取り上げた。

コテンラジオとは?
歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK2人と
圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオ。
学校の授業では中々学べない国内外の歴史の面白さを学び、
「人間とは何か」「現代人の抱える悩み」「世の中の流れ」
を痛快に読み解いていく!?
笑いあり、涙ありの新感覚・歴史キュレーションプログラム!

コテンラジオ公式サイトより

コテンラジオではこれまでも様々な歴史、偉人を紹介してきたが昨年のやなせたかしさんの回は特に面白く感動した。Spotify、Apple Podcast、YouTubeなどで聞けます。全6回、約253分あるのでお時間ある時にお聞きください。

やなせたかしさん
1919年生まれ。子供の頃に父と死別。母は再婚し、弟と伯父に引き取られる。
幼少期から優秀な弟と比べてコンプレックスを感じていた。

高校卒業後、就職したが徴兵のため九州→中国と部隊を移し終戦は中国で迎える。
中国では地元民に紙芝居を作り見せていた。当時、娯楽がなかったこともあるがとても人気でやなせたかしさんは地元の人から愛された。またこの戦争で弟は戦死している。

終戦後はクズ拾いの会社で働いたが絵の興味から高知新聞社に入社。文章、漫画、表紙絵などを手掛けていたが、同僚の転勤をきっかけに上京。その後は漫画、クリエーター、詩人、美術、編集と困ったらやなせさんと言われるほど様々な仕事が舞い込んだ。
その後、紆余曲折ありながら54歳の時に「あんぱんまん」を発表。同作は当初評論家、保護者、教育関係者からバッシングを受けた。元は大人向けだったが子どもからの絶大な人気を得るようになる。
やなせたかしさん69歳の時にアニメ「それいけ! アンパンマン」のテレビ放送開始。94歳の生涯を終えるまで現役で居続けた。

やなせたかしさんとコテンラジオからの学び・気づき

戦争体験からのアンパンマンのキャラクター

やなせさんが一番戦争で辛かったのは、飢えだったという。他の辛いことは何とか耐えれても、食べれない・空腹の状態というのは人間の本能的に耐えられなかった。この経験からアンパンマンが困っている人に自身の顔(アンパン)をあげるキャラクターになった。

またやなせさんは戦争で正義の曖昧さというものを感じた。国同士、お互いの正義の為に戦う。どちらが真の正義というわけじゃなくどちらも正義。戦前は天皇が神とされたていたが、終戦すると急に民主主義に加速し平等をかかげだす。簡単に正義はひっくり返る。それでも変わらない正義と感じたのは飢えを助けること。戦争体験からアンパンマンの世界でも唯一無二のヒーローのあり方を提示したのだろう。

その人間の曖昧さを投影させたキャラクターがロールパンナだったという。アンパンマンとは違い強いキャラクター。善と悪の両方を持つ。善と悪が世の中を作っているわけじゃない。善と悪の間、グレーゾーンがもっとも現実に近い。そんなことを思うとロールパンナもまた深みが出てきた。

アンパンマンとバイキンマンは共存関係

アンパンマンとバイキンマンは互いに殺し合わず、毎回じゃれ合っているようにも見える。これはお互いに共存関係だから。
パン→イースト菌、酵母菌など菌がなければ作れない
菌→食品がなければ繁殖することができない
時にアンパンマンがピンチの時にバイキンマンが助ける回もある。やはりお互い共存関係で良い関係なのだろう。
余談だがバイキンマンが機械を毎回作っているのは、菌が変異していくことのメタファーらしい。凄いなやなせさん。

やなせたかしさんの仕事の向き合い方

やなせさんはこう言っている。自分は天才じゃない。でも続けていたら何とかなった。それは運を掴むことができたから。運を掴むには仕事がなくても続ける。仕事が無くても描き続ける。辞めてしまえば運が巡ってくる事はないから。だからどんな状況でも続けなければならない。
打席に立ち続けるということなのだろう。この仕事のへ姿勢が94歳生涯現役を貫けた要因だろう。自己啓発本に必ず書いていることだけどやなせさんの生涯を知ると、深みをまして身体に入ってきた。

誰もがアンパンマンみたいなヒーローに

やなせさんはヒーローはこうあるべきと言っている。
自分が傷ついても助ける。それは必ずしも賞賛されないけど助ける。それが真のヒーロー。真のヒーローはカッコ悪くあるべき。弱い部分があるから愛される。完全な人はこの世に居ない。だからアンパンはお世辞もカッコいいとは言えない外見をしているし、人に顔をあげると明らかに弱くなる。
そしてアンパンマンマーチの歌詞「愛と勇気だけが友達」。この歌詞に込められた思いは戦う時・人を助ける時は最初は1人。1人でもやる覚悟をもつ。だからアンパンマンは「愛と勇気だけが友達」なのだろう。

ラジオを聞きながら泣いたのは東日本大震災の時に、タマフルで最初に掛かったRHYMESTERの「そしてまた歌い出す」を聞いた時以来だな。

なんのために生まれて
なにをして生きるのか

アンパンマンやさしい君はいけ!
みんなの夢をまもるため

フルスイング!!


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